研究課題/領域番号 |
17700487
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
禰屋 光男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30359640)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 低酸素環境 / 総ヘモグロビン量 / 持久性トレーニング / 高地トレーニング / 鉄欠乏性貧血 / 低酸素トレーニング / 最大酸素摂取量 / 持久性運動選手 / 貧血 / オーバートレーニング |
研究概要 |
本研究の目的は持久性運動選手の生理反応や運動パフォーマンスを調査し、高地・低酸素トレーニングの適切な方法を掲示することである。初年度は高地トレーニングを実施せずに、年間の最大酸素摂取量や血液性状の変化を観察し、高地トレーニングを実施した際のコントロールデータを取得した。2年目となる昨年度は夏季に3週間の高地トレーニングを実施し、その前後の運動パフォーマンスや血液性状の変化を検討した。昨年度は睡眠時のみ人工低酸素環境への曝露を併用したが、3年目となる本年度は同期間の高地トレーニングを人工低酸素環境への曝露を伴わない状態で、標高1300mで滞在し、トレーニングを1300m〜1800mで実施した。対象は大学陸上中長距離選手であった。 最大酸素摂取量は期間前後で有意な差は認められなかったが、最大下運動時の酸素摂取量は期間後に期間前と比較して有意に低下した(p<0.05)。また、安静時および最大下4速度のそれぞれの酸素摂取量の一次回帰直線の傾きは有意に低下した(P<0.01)。モグロビン濃度、ヘマトクリット値は有意な変化は認められず、血清エリスロポエチンも滞在初期に上昇したが、有意な変化は認められなかった。総ヘモグロビン量は期間前後で有意な差は認められなかった。よって、この期間・低酸素環境条件では増血刺激となることはないと考えられた。 一方で最大下強度では約3%の酸素摂取量の低下が認められ、いわゆる最大下強度におけるランニングエコノミーの改善が生じたと考えられる。この改善は競技力の向上の観点から有意義なものである。 昨年度の結果とあわせ、国内における準高地環境であっても、人工低酸素環境付加により、増血が生じ、付加しなくても最大下のパフォーマンスの向上が認められたことから、3週間の準高地環境トレーニングはトレーニング量の増加する夏季から秋季にかけて実施することは有効であると考えられる。
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