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小笠原諸島において水文気候条件が植生構造に与える影響に関する観測研究

研究課題

研究課題/領域番号 17700640
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 地理学
研究機関横浜国立大学

研究代表者

吉田 圭一郎  横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (60377083)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワード小笠原諸島 / 夏季乾燥期 / 乾性低木林 / 観測研究 / 蒸散流 / 水文気候条件 / 葉の水ポテンシャル / 幹生長量
研究概要

本研究の目的は,小笠原諸島父島の乾性低木林を調査対象に,詳細な気象観測に加え,植物の生理生態的プロセスの観測を新たに展開することで,既存の研究では明確にされてこなかった水文気候条件と植生構造との因果関係を明らかにすることである.本研究ではまず,父島気象観測所で観測された78年分の月別気温および降水量データを解析した.その結果,小笠原諸島における20世紀中の水文気候環境は乾燥化の傾向があり,特に夏期乾燥期が顕在化することが分かった.このことは,小笠原諸島において今後の気候変動による植生へ影響を明らかにするためには,夏期乾燥期における水文気候条件と植生との因果関係を把握する必要があることを示す.次に,水文気候条件の異なる父島の2地点(初寝山および東平観測点)で気候および植物の生理的特性についての詳細な観測を行った.デンドロメータによる観測結果から夏期乾燥期における乾燥の度合いに対応して幹生長量が異なっていることが分かった.また,夏季乾燥期に,初寝山および東平観測点に生育するシマイスノキの葉の水ポテンシャルを計測した結果,初寝山の方が東平に比べ,夜明け前のシマイスノキの葉の水ポテンシャルは有意に低かった.これらのことから,夏期乾燥期に強い乾燥ストレスを受けた場所ではシマイスノキの幹の肥大生長が抑制されると考えられた.さらに,シマイスノキの蒸散流量の観測結果から,乾性低木林の優占種であるシマイスノキは蒸散を抑制し,水利用様式を変化させることで,夏期乾燥期に卓越する季節的な乾燥ストレスに耐えて生育していることが明らかになった.以上のことから,乾性低木林の構成種は,夏期乾燥期の水文気候条件に応答して生理生態的プロセスを変化させており,その結果として植生構造に地理的な変化がみられると考察した.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 小笠原諸島父島における20世紀中の水文気候環境の変化2006

    • 著者名/発表者名
      吉田圭一郎
    • 雑誌名

      地理学評論 79

      ページ: 516-526

    • NAID

      10018862579

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 小笠原諸島における気象観測研究2006

    • 著者名/発表者名
      吉田圭一郎
    • 雑誌名

      小笠原研究年報 29

      ページ: 1-6

    • NAID

      110004814805

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 小笠原諸島における長期観測研究-気候変動とその影響の予測に向けて2005

    • 著者名/発表者名
      吉田圭一郎
    • 雑誌名

      JISE Newsletter 50

      ページ: 6-6

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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