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リモートセンシングによる林地土壌含水率の推定と荒廃森林の抽出

研究課題

研究課題/領域番号 17710003
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 環境動態解析
研究機関筑波大学

研究代表者

松下 文経  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (80361319)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード人工林の荒廃 / ヒノキ / 葉の分光反射特性 / 葉の含水率 / 土壌の含水率 / 熱バンド
研究概要

近年,間伐が遅れ,放置された人工林が増加しており,林床の裸地化による水涵養機能の低下や土壌流出等を引き起こす森林の荒廃が問題となっている.しかしながら,どの林分が荒廃しでいるかを広域的に調査することは非常に困難であり,対策をたてる上で大きな障害となっている.一方,リモートセンシング手法は広域性,瞬時性,定期性といった長所から,これらの問題に対して非常に有効な手段と考えられるが,リモートセンシングデータが捉えるのは林床ではなく樹冠であるため,荒廃状態を樹冠の状態から推定する必要がある.そこで,本研究では,荒廃した人工林と健全な人工林の樹冠の特徴を明らかにし,リモートセンシングデータを用いた荒廃人工林の抽出の有効性を評価することを目的とした.
まず,現地調査による林内環境の解析を基に,相対照度と下草による被覆率の関係から人工林の荒廃度を評価した.次に,現地での散水実験および土壌含水率の測定によって,人工林が荒廃するにつれて土壌の浸透能,及び含水率が低下することを確認した.さらに,現地およびPOT実験において採集した単葉の含水率を測定した結果,土壌含水率が低下するにつれ,ヒノキの葉の含水率も低下することが分かった.含水率の低下によって分光反射特性も変化し,葉の含水率と葉の水分状態を表す植生指標との間に良好な相関性があることを確認した,特に,可視・近赤外バンドを用いたRatio Water Index (RWI)がヒノキの葉の含水率の推定に対して,最も有意な相関を示した(r=0.86).しかしながら,ASTERデータから算出したRWIを基に,人工林を荒廃度別にグループ化した結果,有意な差が見られなかった.これは,単葉レベルで得られた関係を群落レベルに対して適用することが困難であることを示唆している.荒廃した人工林では,葉の含水率が低下していても;樹冠密度が健全な人工林に比べて高いため,群落としての葉の含水量に違いが表れない可能性がある.一方,葉の水分状態を表す植生指標ではなく,ASTERの熱バンドを利用することによって,有意な差を確認することができた.これは,荒廃した人工林と健全な人工林との樹冠密度の違いによる,林床の影響の有無に起因していると考えられる.これらの結果から、リモートセンシングデータを用いた荒廃人工林の抽出には、可視光・近赤外・短波長赤外バンドより,熱バンドを利用した方が有効である可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Calibration algorithm for both amplitude and phase of full-polarimetric SAR data2007

    • 著者名/発表者名
      N.Kadowaki, Y.Arayi, B.Matsushita
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing Vol.46,No.1

      ページ: 47-55

    • NAID

      10024353506

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] A new algorithm for estimating chlorophyll-a concentration from multi-spectral satellite data in Case II waters : -A simulation based on a controlled laboratory experiment-2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Oyama, B.Matsushita, T.Fukushima, T.Nagai, A.Imai
    • 雑誌名

      International Journal of Remote Sensing Vol.28.No.7

      ページ: 1437-1453

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Characterizing the changes in Landscape structure in the Lake Kasumigaura Basin, Japan using a high-quality GIS dataset2006

    • 著者名/発表者名
      B.Matsushita, M.Xu, T.Fukushima
    • 雑誌名

      Landscape an Urban Planning 78

      ページ: 241-250

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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