研究課題/領域番号 |
17710013
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
|
研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
江口 菜穂 国立環境研究所, 地球環境研究センター, NIESポスドクフェロー (50378907)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 大気科学 / 水蒸気 / 成層圏対流圏物質交換過程 / 衛星観測データ解析 / ゾンデ観測 / 気候変動 / 成層圏対流圏間物質交換過程 |
研究概要 |
前年度実施したバングラディッシュ・ダッカにおける高精度湿度計を用いた高層大気観測の解析結果と、衛星観測データとの比較解析の結果を記す。 (1)通常プレモンスーン期に頻繁に発生するシビアローカルストーム等の総観規模擾乱が、今回のプレモンスーン期の観測期間中、ダッカ周辺ではほとんどみられなかった。水蒸気プロファイルの特徴は、地表から高度8kmまでは相対湿度が80%以上と高かったが、それ以高は対流圏界面直下に存在していた巻雲に伴う過飽和高度を除き、20%以下と乾燥していた。この特徴はモンスーン期にも見られ、これまで対流圏下層から上層まで高湿度だと考えられていた結果と異なる特徴を捉えることができた。 (2)モンスーン期の観測期間中は、数日間隔でモンスーン低気圧がベンガル湾上で発生し、北西進していた。それに伴って、下・中部対流圏で湿度の変動が激しかった。特に中層では数日中に湿度が10%以下から100%近くにまで変動していた。上部対流圏では、湿度センサーのHouse keepingデータが解析に適さない値(不確定性値が高い値)を示すことが多く、これは下層で測器に付着した水蒸気量の影響と推測されるが、原因の詳細は明らかでない。上層の観測データの解析には注意が必要である。 (3)衛星観測データとの比較の結果、下・中部対流圏では相対湿度値10%以内で良い一致を示していたが、巻雲が存在する上部対流圏では衛星観測からの湿度が極端(+30%以上)に過大評価していることがわかった。この結果より、衛星観測データを用いた雲域での水蒸気の定量的な議論は慎重に行う必要があることが指摘された。 上記の結果を、衛星観測データの利用者が多い、アメリカの地球物理学会で発表した。
|