研究課題/領域番号 |
17710018
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内田 雅己 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70370096)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 土壌呼吸速度 / 構造土 / 高緯度北極 / ノルウェー / スピッツベルゲン島 / 陸域生態系 / 氷河後退域 / 構造度 |
研究概要 |
北極陸域には土壌の凍結・融解作用などによって生じる構造土が発達している。構造土のタイプや土壌の移動量は植物の分布を規定する重要な要因の一つであることから、土壌呼吸速度も構造土の影響を受けている可能性がある。そこで高緯度北極陸域生態系において、構造土の視点から土壌呼吸速度の空間的な推定の可能性を調査した。 ノルウェー・スピッツベルゲン島ニーオルスン(79°N)の氷河後退域に調査地を設定し、淘汰型(SAおよび不淘汰型(NSP)多角形土を選出した。不淘汰型多角形土については、中央部を藻類に綴われているタイプ(NSP-sc)と覆われていないタイプ(NSP-n)とに分類した。SPの中央部は全て藻類に覆われていた。いずれの構造土も周縁部は維管束植物とコケ植物が優占していた。 前年度の観測により、各構造土ともに周縁部の植生の発達している部分の土壌呼吸速度は、中央部よりも大きいことが明らかとなった。土壌微生物の餌資源である有機物炭素量と土壌微生物バイオマスの指標となるATP量を測定した結果、周縁部の有機物炭素量と土壌中のATP含量は多く、中央部分は少なかった。重量あたりのATP量では、植生の認められる地点では有機物層と鉱質土層表層で高い値が示された。一方、鉱質土壌表面から5cm以深では、植生の有無にかかわらず、ATP量に大きな違いは認められなかった。この傾向は土壌有機炭素量でも同様だった。以上から、構造土においては、土壌微生物は植生の認められる部分に多いものの、表層に集中的に分布していることが明らかとなった。
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