研究概要 |
船速度15ノットにて曳航できる曳航体を作成し、テフロンインライン採水装置と組み合わせることで「表層海水連続クリーン採水システム」を作成した。 キレート樹脂濃縮-ルミノール化学発光系の微量栄養物質(鉄)分析装置を改良し、連続自動分析が可能な装置の作成を行った。装置にはサンプルを溜め込んで前処理を行うユニットを作成し、自動で15分に一度サンプルをフローセルに溜め込み、分析に供するシーケンスを設定した。また、実験室内において、上記「表層海水連続クリーン採水システム」のテフロンインライン採水装置より「微量栄養物質連続自動分析装置」にサンプルを引き込めるようにしてシステム化を行った。テストの結果、ブランク値も十分に低く、自動連続分析が出来ることを確認した。 さらに北海道水産研究所が運行の研究調査航海に(1月、釧路発着、航海日数各14日)に乗船し、実海域において「表層海水連続クリーン採水システム」と「微量栄養物質連続自動分析装置」の統合(観測システム化)テストを行った。ここでは、サンプル間の入れ替わり時の汚染など、実海域で用いた場合の問題点・改良すべき点等を抽出した。 18年度は構築した表層海水連続自動微量栄養物質(鉄)分析システムをさらに実用化に向けて改良した。サンプルの導入のシークエンスを組み替えて,前サンプルの汚染を抑えることで実用にも耐える装置とした。構築した本システムを,北海道区水産研究所の行ったHK0701航海で使用し,北海道沿岸から親潮域にかけての観測を行った。その結果,本装置を用いて船の走行中約15分から20分毎に表層海水の鉄濃度を観測し,親潮外洋から北海道陸棚域にかけての鉄濃度の広域の水平分布を把握する事に成功した。
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