研究課題/領域番号 |
17710046
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 裕史 徳島大学, 総合科学部, 助手 (60380127)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 医薬品 / 生態リスク初期評価 / 水棲生物 / 活性汚泥処理 / 塩素処理 / 慢性毒性 / 生分解 / 光分解 / 水環境 / 底質 / 天然有機化合物 / 急性毒性 / 挙動 / 動態 |
研究概要 |
昨年度選定したアセトアミノフェン、イブプロフェン、メフェナム酸、インドメタシン、アテノロール、プロプラノロール、カルバマゼピン、イフェンプロジルの非ステロイド系医薬品8種類について、その回分式活性汚泥・塩素処理による除去率、光分解、生分解、魚類、甲殻類、緑藻類の3種の水棲生物に対する慢性毒性を調べ、生態リスク初期評価を実施した。活性汚泥・塩素処理の結果、アセトアミノフェンやイブプロフェンなど5物質の除去率は95%以上と非常に高かったのに対して、アテノロールとカルバマゼピンの2物質については30%未満と非常に低く、下水流入・放流水の濃度比較を行った他の研究者の結果とほぼ一致した。太陽光による分解については、プロプラノロールの半減期が約3時間と短かった以外は顕著な分解はみられなかった。生分解についてはアセトアミノフェンの半減期が28時間で最も早かった。他の物質、特にカルバマゼピンやイブプロフェンについてはほとんど分解せず、残留性が高いことが示唆された。一方、アセトアミノフェンとアテノロールの急性毒性試験ではLC_<50>やEC_<50>が100mg/L以上と比較的弱かったが、慢性毒性試験の結果からオオミジンコの産仔数の21d-NOECは0.83mg/L以下と甲殻類に特異的に強い毒性を示す上、急性/慢性比が10をはるかに超えた。それ以外の6物質についても、急性/慢性比は10前後かそれより大きく、急性毒性によるスクリーニング後、慢性試験の必要性があることが示唆された。生態リスク初期評価の結果、8物質のうち詳細なリスク評価が必要なHQ(ハザード比)=PEC(予測環境中濃度)/PNEC(予測無影響濃度)が0.1をこえた物質はなかった。しかし、PECを海外の最大検出値とした場合にはアセトアミノフェンやメフェナム酸等でHQが0.1と1の間に入っており、国内検出値の情報収集に努める必要がある。
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