研究課題/領域番号 |
17710060
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 史尚 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助手 (60293370)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 廃水処理 / 重金属含有廃水 / リデュース型処理 / 海洋細菌 / 銅ゴケ原糸体細胞 / 重金属耐性 / 有価金属回収 / 有用資源化 |
研究概要 |
活性汚泥法は良好な処理水が確保でき世界的に普及している処理法である。しかしながら、多くの工場・事業場廃水である重金属を含む有機性廃水の場合、現在行われている活性汚泥法では、重金属による処理効率の低下等の問題が生じている。海洋細菌と銅ゴケを用いた本システムでは、重金属耐性のある海洋細菌を用いるので、重金属による処理効率の低下はほとんどない。また、活性汚泥法そのものには余剰汚泥発生の問題が生じている。本処理システムでは、処理効率の効率化とともに、ほとんど余剰物質(廃棄物)は発生しない。昨年度は、海洋細菌及び銅ゴケ原糸体細胞の増殖特性の検討とバイオリアクターの開発を行い、本年度では浄化後の植物体からの有価金属回収と資源化プロセスの開発およびシステムの総合評価を行った。 有価金属回収プロセスは、電気分解法を用いて行った。陽極材料はPt/Ti、電圧2〜4V、5vol%の硫酸溶液中などの条件で行った。1kgの浄化後植物体には、銅が75mgと亜鉛507mgが含まれていたが、この電気分解法を用いた有価金属回収によって、銅64mgと亜鉛475mgが回収された。回収率は銅が85%と亜鉛が93%であり、非常に高い回収率で有価金属回収プロセスが行えることがわかった。資源化プロセスでは、1kgの浄化後植物体からメタンが56L、リグニン樹脂が80g生産されると推算できる。本システムの実用化にはまだ種々の検討が必要であるが、昨年度の廃水処理能力評価と今年度の有価金属回収・資源化プロセスの効率的評価から、海洋細菌と銅ゴケを用いた環境負荷の少ない低コストの処理が実現可能であることがわかった。生物処理のみで重金属と有機物質の処理を行う本システムの開発・構築は、未来の水処理研究に一石を投じ、貢献することができた。この研究が行うことができたのは本科学研究費補助金によることが大きく、深く感謝する次第である。
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