研究課題/領域番号 |
17710062
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松宮 弘明 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (10362287)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | アドミセル / フローテーション / 重金属元素 / シリカゲル / 長鎖アルキルアンモニウムイオン / w / oエマルション / 水分析 / 材料分析 / 長鎖アルキルアンモニウム塩 / ポリオキシエチレン系界面活性剤 / 微量分析 |
研究概要 |
本研究では、水中の有害化学物質を捕集するために化学認識素子を内包したアドミセルを調製し、凝集アドミセルを気泡と共に液面に浮上させるフローテーション分離により、迅速かつ高効率な水中汚染物質の回収システムの構築を行った。 前年度に引き続き、典型的な疎水性キレート試薬であるジチゾンを化学認識素子とし、長鎖アルキルアンモニウムイオンとシリカゲル粉末からなるアドミセルを用いて、水中重金属元素(鉛やカドミウムなど)の捕集条件・フローテーション条件の最適化を行った。その結果、河川水や池水などの環境水から重金属元素を効率よく回収することができた。また、水溶性キレート試薬であるピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウムを用いて重金属元素を疎水性キレートに変換した後にアドミセルに捕集するアプローチも有効であった。いずれのアドミセルーフローテーションシステムも機器分析に先立つ前段濃縮法として応用でき、全操作時間30〜40分程度で試料水中の重金属元素(ppb-pptレベル)を多元素同時定量することが可能であった。.さらに、繰り返し処理によるフローテーションの半連続運転も可能であった。 また、固相担体に替わって液相を界面活性剤と組み合わせたw/oエマルションについても検討した。その結果、重金属元素の有用な分離法を開発することができ、材料分析に応用した。エマルション分離法によりマトリッククス元素から微量不純物元素を分離し、機器分析により定量した。 以上、本年度はアドミセルやw/oエマルションを用いて重金属元素ρ有用な分離・濃縮法を幾つか開発した。アドミセルには疎水性有機化合物も捕集される。従って、本アドミセル-フロ一テーションシステムにより水中の無機・有機汚染物質の迅速一斉捕集が達成できるものと考えられ、水分析のみならず、排水浄化などの水処理技術への応用が期待される。
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