研究課題/領域番号 |
17710084
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 (2006) 東北大学 (2005) |
研究代表者 |
高村 由起子 (山田 由起子) 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (90344720)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / ワイドバンドギャップ半導体 |
研究概要 |
ダイヤモンドは、物質中最高の硬度と熱伝導率を誇る。特に最近は高品質の人工ダイヤモンド合成が可能となり、その優れた化学的性質や電子的特性を利用して、センサーや半導体材料としての応用を目指した研究が進められている。ダイヤモンドの特異な性質の中でも際立っているのは、表面吸着原子によって表面伝導性が大きく変化することであり、この性質を用いた表面デバイスの作製などが試みられているが、表面伝導性のメカニズムなどは未だ不明な点が多く、原子レベルでの表面構造解析及び電子状態評価が望まれる。 本研究の目的は、真の原子分解能を持つ超高真空ノンコンタクト原子間力顕微鏡(UHV-NCAFM)を用いて、謎の多い絶縁性の清浄ダイヤモンド表面の微細構造を明らかにし、ダイヤモンド表面の原子レベルの構造と電子状態に関する知見を得ることであった。C(111)-(2x1)構造のNCAFM観察を目的として、人工合成ダイヤモンドのへき開面に対して、水素プラズマ処理を行った試料についてNCAFM観察を行った結果、部分的に一原子層高さのステップ状構造を確認することに成功した。しかしながら、粒状の吸着物が多く観察され、プローブのダメージが大きく、原子分解能観察は困難であった。絶縁体に対するNCAFMの性能を確認する目的で、ダイヤモンド同様ワイドバンドギャップ半導体であり、ドープにより走査トンネル顕微鏡(STM)観察も可能な窒化ガリウムについてNCAFMを行った結果、STMを凌ぐ高分解能の表面構造像を得ることに成功した。窒化ガリウム表面のNCAFM像は、プローブー試料間距離と、プローブ先端原子に強く依存していた。ダイヤモンド試料で観察されたステップ表面は原子レベルで平坦であったため、表面処理条件の最適化による粒状構造の除去と、プローブ先端の最適化により原子分解能観察が可能になると考えられる。
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