研究課題/領域番号 |
17710092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
但馬 敬介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90376484)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 複合材料 / 導電性高分子 / ナノ構造 / 磁性材料 / 液晶分子 / 電子材料 |
研究概要 |
本研究では、水酸化銅化合物に代表される層状二次元磁性体と、導電性高分子のナノ複合体の合成に挑戦し、その磁気的・電気的な特性を明らかにすることを目的とした。無機磁性体と有機化合物の複合体の例にはこれまで、金属イオンや金属クラスターと、テトラチアフルバレン(TTF)誘導体などの結晶性の低分子化合物が用いられてきた。これらは構造を共結晶として構築する手法であり、原理的に高分子化合物に適用するのは難しい。そこで、水溶性の導電性高分子としてポリチオフェンの誘導体をもちいて、ナノ構造をもつ水酸化銅化合物と導電性高分子複合体の合成と構造評価の方法を確立することを試みた。 前年度までに、ポリアクリル酸ナトリウムの層間への置換には成功し、その磁気的特性を明らかにすることに成功したが、電子伝導性を有する有機化合物への置換は困難であることがわかった。そこで、ポリマーよりもより置換が容易であることが期待される新規な水溶性オリゴチオフェンの合成を行った。これらは、チオフェン四量体の末端、または側鎖にカルボキシル基を有する物質であり、置換に成功したポリアクリル酸との構造の類似性から設計した。カルボキシル基の数を2〜4個に変化させ、また置換基の位置を変えて様々な化合物の合成を行った。これらの物質の水酸化銅化合物への導入を試みたが、置換は起こらなかった。これは、オリゴチオフェン構造の剛直性や、物質の水への溶解性の低さが影響しているものと考えられる。一方、これらの合成の中で派生した新規な両親媒性オリゴチオフェンは液晶性を示し、新しい電子材料への展開の可能性を示した。
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