研究課題/領域番号 |
17710093
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 芳明 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (60345105)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ベータ鉄シリサイド / 量子ドット / 発光素子 / ナノドット |
研究概要 |
β鉄シリサイドはバルクでは間接遷移型半導体であるが、Si基板上にエピタキシャル成長すると、約1.5μmのエネルギーバンドギャップをもっ直接遷移型半導体になるという報告がある。我々はβ鉄シリサイドのナノドットを形成することで発光効率の高いIV族系半導体材料を開発することを目指している。前年度、我々は、極薄Si酸化膜上にSiとFeを同時蒸着することで、5nm程度のβ鉄シリサイドナノドットを超高密度(>10^<12>cm^<-2>)に形成できることを見出した。このナノドットはSi基板との格子不整合による歪を保持し、不整合転位は存在していないことがわかった。本年度では、この手法で作製したβ鉄シリサイドナノ構造の電子状態を走査トンネル分光法を用いて調べた。その結果、ナノドットの厚みが5nmから2nmへ減少するとエネルギーバンドギャップが約0.4eV程度増大するという、β鉄シリサイドナノ構造の量子閉じ込め効果の観察に成功した。さらに、β鉄シリサイドナノ構造のSi埋め込み構造、また、GeナノドットのSi埋め込み構造を形成し、その光学特性を調べた。その結果、発光スペクトルはSiの埋め込みキャップ層の形成条件に強く依存することがわかった。また、形成したナノドットの人工配列構造を作製するためにナノドット操作技術開発を行った。この際、まず予備的実験として極薄Si酸化膜上のGeナノドットを用いて行い、走査トンネル顕微鏡の探針を用いたナノドット操作に成功した。また、ナノドットのクーロンブロッケイド効果の観察にも成功した。さらに、この形成手法を応用することによってGeSn量子ドットの形成法を開発した。我々は超高密度β鉄シリサイドナノドットの形成法、ナノ構造の量子閉じ込め効果、ナノドット操作法、クーロンブロケイド効果に関しては雑誌に掲載した。GeSn量子ドット形成法については特許出願中である。
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