研究課題/領域番号 |
17710100
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清野 宜秀 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助手 (90379131)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 走査プローブ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 絶縁体 / 半導体 / 絶縁体表面 / 半導体界面 / 電荷捕獲現象 / 静電気力 / 原子種識別 |
研究概要 |
微視的デバイス特性の原子スケール評価法の一つとして、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)を用いた測定手法の確立を目指すことが本研究の目的である。NC-AFMは絶縁体表面においても真の原子分解能観察が達成されており、さらに半導体表面において多原子種の識別・操作に成功しており、原子スケールにおける構造評価、操作組立ツールとして有用な顕微鏡であるといえる。本研究では特に絶縁体/半導体界面特有な電荷捕獲現象をNC-AFMを用いた原子スケール静電気力観察を行うことにより、原子レベルでの電荷マッピングについて調べることを主眼に置いている。本研究を遂行する上で、現有のNC-AFM測定装置に静電気力測定回路系を付加する形で、現有の測定回路系の最適化を行った。また、絶縁体/半導体界面特有な電荷捕獲現象に関する標準試料としてCaF_2/Si(111)、SrF_2/Si(111)、並びに(Ca,Sr)F_2/Si(111)混晶系を選び、その試料作成条件の確立を図り、原子レベル電荷マッピングの基礎実験を行った。 1原子層以下のSi(111)上CaF_2及びSrF_2薄膜表面では、特にSrF_2表面において界面の格子不整に伴う、バルクとは異なる表面構造をNC-AFM凹凸像で初めて確認した。2原子層以上のCaF_2及びSrF_2薄膜表面では、ともにバルク表面と同様な(1x1)構造が観察されたが、界面電荷の影響と推測される長周期的な電荷揺らぎの影響がNC-AFM凹凸像で確認された。一方、(Ca,Sr)F_2混晶薄膜表面では、CaイオンとSrイオンのイオン種の違いをNC-AFM凹凸像のコントラストの差として原子分解能識別に成功した。そのコントラストの差は、界面電荷による長周期的な電荷揺らぎの影響以上の相互作用力と見積もられ、近距離的静電気力相互作用の差が、絶縁体混在表面における原子種識別に利用できることを実験的に示したものと推測できる。
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