研究課題/領域番号 |
17710113
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
マイクロ・ナノデバイス
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桑田 直明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (00396459)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 薄膜電池 / 全固体電池 / リチウムイオン電池 / PLD / コバルト酸リチウム / スズ酸化物 / 顕微ラマン分光 / 固体電解質 / 薄膜リチウム電池 / PLD法 / アモルファス / マンガン酸リチウム / 二相共存 / 顕微ラマン散乱分光 / スズ酸化物負極 |
研究概要 |
本研究では、薄膜作製法としてパルスレーザー堆積(PLD)法を用い、薄膜全固体電池を作製する手法を確立し、薄膜電池の基本的な電気化学特性を明らかにした。以下に詳しく述べる。 (1)薄膜電池の連続積層法 これまでの薄膜電池は熱蒸着・RF/DCスパッタリング・PLD等の手法を組み合わせて作られていたが、微細な塵が原因となり短絡を起こすため、作製は極めて困難だったρ本研究ではPLD法のみを用いて正極・固体電解質・負極を作製し、マスク及びターゲット交換をPLD装置内で行う工夫を施すことにより、塵の存在しない真空中で薄膜電池をすべて作製する技術を確立した。これにより短絡が起こらず、時間も1/4以下に短縮され、安定した薄膜電池の作製が可能となった。また固体電解質の厚さを1μm以下にして、固体電解質の抵抗を低減することができた。また、清浄な固体/固体界面を持つため、界面抵抗が小さく理想的な界面を持つことが分かった。これらの改良により薄膜電池の放電特性・容量ともに大きく向上した。 (2)PLD法と顕微ラマン分光を用いた正極の構造解析 連続的に組成の変化する正極薄膜を一括作製することが可能な連続組成傾斜(CCS)-PLD法を開発した。このCCS-PLD法をLiCoO_2-LiMn_2O_4系に適用し、LiCoO_2からLiMn_2O_4間の連続的に組成変化する薄膜を基板上に堆積し、その構造を顕微ラマン分光法により解析した。その結果、LiCoO_2の層状構造はCo/Mn=0.7まで維持され、その後スピネル構造に変化し固溶体を作りながらLiMn_2O_4まで変化することが明らかになった。CCS-PLD法と連続積層PLD法を組み合わせることにより将来的には様々な組成の材料を網羅的にカバーし、最適組成を選び出すことが可能になると期待される。
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