研究課題/領域番号 |
17710136
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西村 悦子 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (60311784)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 港湾物流 / コンテナターミナル / 超大型船 / 数理計画 |
研究概要 |
1.研究目的 超大型船が規模の経済性を発揮するには、少数のハブ港のみを寄港すると予想され、ハブでの荷役貨物量は膨大になる。これに対処するために、最新のターミナルでは自動化・無人化のシステムが導入されているが、現在ソフト面で重要視されるのは、文書の電子化、情報の共有化のみであり、マシンの動きやヤード内コンテナ配置における意思決定には自動化が進んでおらず、人間の経験に依存している。そこで本研究では、超大型船対応港湾において取扱いの中心であるトランシップ貨物を対象に、コンテナ配置計画サポートシステムを構築する。 2.研究結果 (1)モデル化の範囲の同定:コンテナの重量区分、最終仕向け地別、コンテナ自体のサイズ・種類別で配置計画は実施され、現状においては荷主の過去の利用実績から各種情報を予測し、システムにはあくまでオペレータによって決定した位置情報の管理コンピュータソフトウエアに依存している。超大型コンテナ船対応のターミナルではトランシップ貨物が多く占め、従来型では輸出入コンテナが主となる。両者で大きく異なるのが、貨物の到着のタイミングであり、本問題では超大型船の到着として扱うことができる。(2)コンテナ配置の最適化における評価尺度の同定:調査結果を元に、モデルはコンテナ重量区分と仕向け地によるコンテナグループ単位で意思決定するもの(モデルA)、フィーダー船ごとに意思決定するもの(モデルB)を考案した。(3)コンテナ配置問題のモデル化:まずモデルAをRTGの移動距離最小化問題として扱うことにし、モデルBでは全対象船舶の荷役時間最小化として扱った。(4)数値実験の実施と計算結果:まず前者について、学会発表等を通して意見交換を行った結果、研究論文としてみたときに制約が複雑すぎて、今後の発展が期待しにくいとの意見があったため、見方を変えた後者モデルを検討した。両者とも、超大型船のみを優先にしてコンテナ配置位置を決めれば、フィーダー船へのサービスが低下するが、モデルで設定した評価指標および提案した解法を用いれば、フィーダー船の作業時間等延長も抑えられることがわかった。(5)関連研究:ターミナル規模が大きくなるほど、配置計画は複雑になる。また超大型船が寄港するターミナルはマルチユーザ方式が現実的であるため、マルチユーザターミナルの利用実態についても研究成果をまとめた。この結果も本間題の今後の発展に利用できるものである。
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