研究課題/領域番号 |
17710175
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大栗 博毅 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (80311546)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 抗腫瘍性抗生物質 / エキノマイシン / 生合成 / 非リボソーム依存型ペプチド合成酵素 / マクロ環形成 / チオエステレース / インターカレーション / 化学-酵素ハイブリットプロセス / マクロ環 / キノキサリン |
研究概要 |
放線菌Streptomyces lasaliensisが生産する抗腫瘍性抗生物質エキノマイシンは、二つのキノキサリン環を介して、DNAにインターカレーションする。昨年度我々は、エキノマイシンの生合成遺伝子クラスターを同定し、大腸菌を利用して酵素的全合成に成功した。本年度は、エキノマイシンのペプチド基本骨格を構築する非リボソーム依存型合成酵素(NRPS)のC末端領域に存在するチオエステラーゼ(Ecm TE)ドメインを部分的に発現させ、鎖状ペプチドの酵素的二量化環化反応とマクロラクトン化反応を検討した。 液相合成した鎖状テトラペプチドをEcm TEに作用させると、二量化一環化体が生成することを見出した。さらに、この化合物を空気酸化し、ジスルフィド結合を形成させることでトリオスチンAへ変換することに成功し、Ecm TEが二量化環化反応をin vitroで触媒することを証明した。 次に、末端をチオエステルとした基質アナログを固相合成し、Ecm TEに作用させると低収率ながら目的の環化体であるマクロラクトンが得られた。しかし、加水分解が競争し相当量のカルボン酸が副生した。そこで、環化生成物TANDEMのDNAへの結合能に着目し、DNAを反応系内に添加してTANDEMを捕捉することで、加水分解を抑制しようと考えた。実際、DNA存在下では、環化生成物TANDEMの収率が大幅に(3.5倍)向上し、加水分解を5%以下に抑えることができた。 更に、種々のアミノ酸や芳香環を導入した基質アナログ群を合成し、酵素的マクロラクトン化を検討した。DNA添加により、加水分解産物の生成が抑制され、環化効率が向上する基質アナログを見出した。また、生成したマクロラクトンが、TANDEMと同程度の親和性でDNAに結合することを確認できた。
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