研究課題
若手研究(B)
アルキル化ピロール(Py)-イミダゾール(Im)ポリアミドによる、特定遺伝子発現制御を細胞内在性遺伝子レベルで実現するため、反応部位の安定性をリンカーとアルキル化部位をそれぞれインドールリンカー、CBIへ改良することで獲得し、配列認識部位の大量供給に関しては固相合成法によって確立され、前年度の段階で9塩基対を認識できるアルキル化Py-Imポリアミドの合成に成功している。今年度は、このインドール-CBI型アルキル化Py-Imポリアミドを用いて、テロメアの2本鎖領域を標的とした。現在のテロメア標的薬剤の大部分は、テロメアの1本鎖領域(150塩墓程度)が標的であり、狙える部分が狭い。このため、2本鎖部分を標的とするアルキル化Py-Imボリアミドはユニークな特徴を持ち、テロメア領域の複製を効果的に阻害することで、正常細胞よりも増殖が非常に活発な癌細胞のテロメア長を一気に短縮させることを期待して合成をおこない、評価をおこなった。ヒトテロメア配列(TTAGGG)を4つ繰り返した配列をもつ2本鎖DNAを試験管内で反応させた場合、その領域を特異的にアルキル化していることが確認できた。また、細胞毒性試験では、同じ臓器由来の正常細胞よりも癌細胞に対して、高い毒性を示すいくつかの結果も得られた。また、従来のヘアピン型とは異なる形で、より長い配列をアルキル化するための分子設計として、直鎖型のアルキル化Py-Imポリアミドと、それをサポートするスペーサPy-Imポリアミドの両方を用いて、ヘテロ2量体形成によるDNAアルキル化により、10塩基対の長さを特異的にアルキル化することができた。
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Journal of the American Chemical Society (印刷中)
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