研究課題/領域番号 |
17710193
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源保全学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター) (2006) 国立情報学研究所 (2005) |
研究代表者 |
小林 悟志 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構, (新領域融合研究センター), 融合研究プロジェクト研究員 (30399274)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 環境 / 植物 / 生態学 / 情報工学 / 遺伝学 |
研究概要 |
本研究では、シイのデータマップを作成するにあたり、葉の表皮組織の層数で判別する方法の再検討を行い、葉の観察において観察領域を設けることにより、より正確に判別できることを明らかにした。そして、調査した天然林(久木野林木遺伝資源保存林と稲尾岳)と都市公園林(北の丸公園)についてはすべての個体について種の判別を行いGPSで記録し、マップ上に正確な位置で、標高と垂直分布を示すことが可能となった。 その結果、従来、ツブラジイとスダジイが同所的に分布する地域では、海岸部にスダジイが分布し、内陸部にはツブラジイが分布する傾向とされてきたが、両種が分布する南九州では、海岸から3km以内でも標高が高い地域では、垂直分布の上から下に向かって、スダジイ、ツブラジイ、スダジイとなり、内陸部でも標高が600m以上の高い山地を有する地域では、垂直分布の上限はスダジイであることが明らかになった。そして、雑種は、ツブラジイやスダジイのように、1種のみの個体群で分布しているのでなく、両種のいずれかが必ず存在することが明らかになった。 天然林と都市公園の比較では、天然林のスダジイとツブラジイおよび雑種の分布は、標高による違いが顕著に表れており、同所的に分布していると言われていた地域においても、垂直分布でその分布の違いを見いだすことができるのに対し、都市公園ではそうした傾向が見あたらない。また、雑種個体が多く存在しており、そのことは堅果の形態的な変異でも認められる。すなわち、天然林では、堅果の個体間における直径の差異は10mmに対して、都市公園林では15mmと大きく、形態における多様性が高いことが示された。
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