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責任感情と他性-情感性に基づく共同体論の展開-

研究課題

研究課題/領域番号 17720003
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 哲学・倫理学
研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

吉永 和加  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (20293996)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
キーワード責任 / 罪悪感情 / 他性 / 絶対的受動性 / 情感性 / 非対称性 / 他者 / 神 / 共同体 / 内面性 / 責任感情 / 絶対的他性 / 罪責感情 / 絶対的他者としての神
研究概要

本研究の目的は、自己と他者とを根源的に結びつけるものとしての「責任感情」の探求である。フッサールの他者論を克服するために、M.シェーラーやM.アンリが提唱した情感性に基づく他者経験の議論は、有効かつ重要なものである。だが、彼らの議論は「愛」や「共感」という自己と他者の一体化の境地を他者経験の最高段階と見なすため、他者性を喪失させる危険を孕んでいる。そこで、情感性の重要性を踏まえつつ、他者性を堅持すべしという立場から「愛」や「共感」の全体化作用をも批判して「責任」を重視したレヴィナスを取り上げ、その責任論の到達点を探った。
まず、「自我の解体-レヴィナスにおける絶対的受動性の探求-」において、レヴィナスの前期の代表作『全体性と無限』と後期の代表作『存在するとは別の仕方で』の架橋を試みた。そこでは、感受性の概念の変容を手がかりとして、絶対的受動性の強調によって存在そのものの解体がいかにして徹底されたのかを追究した。そして、「責任」のいわば極点ともいえる「身代わり」という新たな概念の下で、自己と他者の非対称の倫理がどのように確立されうるのかを検討した。
さらに、『社会と感情』の第二部第三章「責任と罪悪感-レヴィナスにおける神学と倫理学のあいだ-」を担当し、レヴィナスの倫理的地歩がどこまで宗教と近接しているのかを解明した。自己にのみ峻厳な倫理を課すレヴィナスの倫理学は、他者を神に近似のもの、自己を罪あるものと見なすことで成立している。そこで、責任や身代わりの裏面に付き纏う「罪悪感」に着目し、その根源性を検討することを通して、レヴィナスの倫理学の宗教性を洗い出し、その射程を明らかにした。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007 2005

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 自我の解体-レヴィナスにおける絶対的受動性の探求-2008

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加
    • 雑誌名

      岐阜聖徳学園大学紀要〈教育学部編〉 第47巻

      ページ: 133-146

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 孤独な感受性 -レヴィナスにおける内面性の考察-2007

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加
    • 雑誌名

      岐阜聖徳学園大学紀要(教育学部編) 第46号

      ページ: 13-28

    • NAID

      110006277793

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 責任の起源 -レヴィナスにおける非対称の倫理学-2007

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加
    • 雑誌名

      同志社大学ヒューマン・セキュリティ研究センター年報 第4号(近刊)

    • NAID

      40015512094

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 憐憫の情から存在の感情へ-ルソーの感情論-2005

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加
    • 雑誌名

      シェリング協会年報 第14号(近刊)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] ルソーにおける二つの共同体について2005

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加
    • 雑誌名

      同志社大学ヒューマン・セキュリティ研究センター年報 第3号(近刊)

    • NAID

      40015238193

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 社会と感情2008

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加(山形頼洋編、共著)
    • 総ページ数
      203
    • 出版者
      萌書房
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [図書] ポストモダン時代の倫理2007

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加(共著)
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 西洋哲学史入門-6つの主題-2005

    • 著者名/発表者名
      吉永 和加(共著)
    • 出版者
      梓出版(近刊)
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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