研究課題/領域番号 |
17720004
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
茶谷 直人 神戸大学, 文学部, 非常勤講師 (00379330)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 類比 / アリストテレス / 生命倫理学 / 医療倫理 |
研究概要 |
類比概念をキーワードにアリストテレス哲学、古代〜初期近世哲学史、現代の倫理上的諸問題に関し新たな知見を提示する、という大目的のもと、前年度に引き続き諸文献の収集・講読、および国内外の研究者との議論を行ない、それにより主に以下の成果を産み出した。 1.アリストテレス心身論をめぐる近年の解釈の一つの主流である機能主義的解釈に関し、検討を行った。それにより、アリストテレス流機能主義の焦点は、いわゆる多重実現可能性にあるのではなく、人工品からのアナロジー(テクネーアナロジー)によって心身関係を理解し説明しようとするその営みそのものの内にあることを指摘した。(関西哲学会編『アルケー』第14号に論文掲載) 2.アリストテレスにおけるアナロギアに関し、その使用場面の諸相を検討した。それにより、かれが比例四項図式をアナロギアの基本として保持しつつ、教説そのものへの適用とアーギュメントへの適用という複層的な仕方でアナロギアを駆使していることなどを示した。(英知大学人文研シンポジウムにおいて依頼発表) 3.積極的安楽死・医師幇助自殺が合法化されているオランダおよび米国オレゴン州の法制化以降の現状に関し、一定の「滑りやすい坂の滑落」(濫用)が見出されること、そこには制度的背景など諸要因が複合的に絡んでいること、状況改善のためにはインフォームド・コンセントモデルに則した自律行為概念の明確な理解が必要であること、などを示した。(日本生命倫理学会大会第18回年次大会で発表) 4.生命倫理に関する基本文献である米国のEncyclopedia of Bioethics,3rd Editionの邦訳プロジェクトに参与し、「秘密保持」の項目の翻訳を行なった。(『生命倫理百科事典』として丸善より刊行)
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