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16世紀の日朝陶磁史における「高麗茶碗」の生産と受容

研究課題

研究課題/領域番号 17720031
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関(財)大阪市美術振興協会

研究代表者

片山 まび  財団法人大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸員 (80393312)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード美術史 / 茶碗 / 陶磁器 / 朝鮮時代 / 陶磁史 / 韓国・朝鮮 / 高麗時代 / 歴史 / 白磁
研究概要

本年度は最終年度として,3年間の研究調査の総括に努めることとした。具体的には(1)堺環濠都市遺跡出土の白磁碗と韓国の各窯跡出土の白磁碗の胎土分析,(2)追加調査として慶尚南道機張郡の窯跡出土資料の調査を行った。
(1)の分析結果では,堺環濠都市遺跡出土の白磁碗の産地の多くが慶尚南道山清郡の製品であることが明らかとなった。従来,この窯の年代は16世紀前半とされていたが,あらためて16世紀後半〜末頃の窯である可能性が高まった。さらにこの窯の製品は,割高台をつくる特異な形式の碗を製作しており,従来の学説で指摘されてきた「割高台=祭器説」に加え,「割高台=慶尚南道西部地域の特異な高台形式」が加えられる可能性を提示できた。山清郡の白磁の造形が「高麗茶碗」に少なくなく作用しているだけではなく,17世紀に日本の肥前で山清スタイルの「白釉陶器」を製作する背景にもつながっているとみられる。また「注文茶碗」とみられる茶碗についても分析し,従来,史料に現れない地域の土を用いていることがわかった。本資料は,不確かな注文茶碗の基準資料とみなすことができ,本研究の大きな成果となった。
(2)の機張郡の窯跡調査では白磁碗の発生の上限を押さえる資料を調査することができた。そのほか当該地域が呉器手茶碗の産地と目される梁山に隣接しており,呉器手への展開を考えるうえで,きわめて重要な地域であることがわかった。
以上の調査結果により,高麗茶碗とは朝鮮時代の白磁製品のなかでも特異な形式をとる16世紀後半〜末の慶尚南道地方の製品と深く関連を結んでいることが明らかとなった。本結果については,平成20年度中に発表予定である。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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