研究課題/領域番号 |
17720081
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30313274)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 言語学 / 動詞形態論 / インドネシア諸語 / バリ語 / 様態副詞 / インドネシア / 文法 / 統語論 / 形態論 / バリ / 動詞の形態論 / テキスト分析 |
研究概要 |
本研究はバリ語の形態統語論についての包括的研究である。前年度までは個々の動詞形成接辞の機能を明らかにする作業を行ってきた。本年度はそれに加えて「副詞的」内容を表す動詞の研究を行った。副詞的内容を表す動詞は動詞の形態統語論全体から見た場合周辺的な要素であるため、これまで十分に研究が行われていなかった部分である。 多くの言語で副詞によって表される内容である「様態」が、バリ語では述部の主要部を占める動詞によって表される場合がある。本研究はこのような様態動詞の現れる条件について、形態統語論的・情報構造的な面からの解明を試みた。 この種の様態動詞は、いわゆる使役接尾辞である-ang、または「間接的影響を表す」接辞-inによる派生形であるという特徴を持つ。 形容詞enggal 「速い」からの派生の例: enggal-ang / enggal -in「速く(〜する)」(二つの動詞の意味はほぼ同じである。) 本研究では、この現象を様態動詞が持つ使役性、間接性と関連付けて分析した。 さらに、「副詞的動詞」が現れる状況を情報構造の面から分析した。聞き取り調査により、様態が副詞ではなく動詞によって表されるのは、当該の様態が伝達上の焦点である場合である。具体的には、命令文において、動詞の表す動作自体の実現ではなくその様態の表す状況の実現を求めることが談話の重点である場合に様態動詞が用いられるという仮説が立てられた。今後この仮説を物語や会話など自然発話のデータを用いて検証していく予定である。
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