研究課題/領域番号 |
17720083
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
勝川 裕子 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (40377768)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 現代中国語 / 領属表現 / 領属モデル / 認知 / 統語論 / 統語 / 領属 / 照応形式 |
研究概要 |
平成19年度は、これまでの研究で明らかとなった言語事象を総括し、現代中国語における領属範疇の体系化を試みた。まず、領属とダイレクトに関わる"有"構文や、これまで領属範疇では扱われることのなかった各種構文を取り上げ、領属タイプ(全体-部分関係、本体-属性関係、相互依存関係、任意的領属関係))別に、それぞれの統語的・意味的特徴を抽出した。特に、領属性"被"構文、"領主属〓句"、〈N_1+V得+N_2+VP>構文においては、構文成立の容認度が高いほど不可譲渡性が高く、反対に、容認度が低いほど可譲渡性が高いという傾向が見られることから、いずれの構文も領属範疇と深く関わっており、構文成立には領属の不可譲渡性が求められることを指摘し、これを論文『現代中国語における領属タイプと不可譲渡性』として発表した。また、上記論文の続稿として、構文の成立容認度と領属の譲渡性の相関関係を明らかにすることを通じて、領属タイプを連続的に位置づけ、その階層を「領属モデル」として提示した。この「領属モデル」は、人間や動物とその身体部位というような、領属先と先天的に不可分な領属物である〈身体部位〉をプロトタイプとし、この中心的カテゴリーから、〈属性〉、〈装着類〉といった周辺的カテゴリーへと同心円状に階層をなしており、プロトタイプ効果が認められる。また、このような認知パターンにみられる階層性、及びそのプロトタイプ効果は、中国語話者の領属に対する一般的な認知能力に依拠するものであり、このような領属関係に対する認知パターンが、言語構造に反映され、統語的振舞いの相違として現れているのであると結論付け、これを論文『現代中国語における領属モデル』として発表した。領属範疇研究の延長として、日本中国語学会東海支部例会(2007.10.6於愛知大学)において『可能の意味と表現形式』について口頭発表し、他研究者との意見交換を図った。
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