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17〜20世紀中国における外来語史の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720091
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 言語学
研究機関早稲田大学

研究代表者

千葉 謙悟  早稲田大学, 文学学術院, 助手 (70386564)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード言語学 / 中国語学 / 東西言語文化交流 / 外来語 / 音訳語 / 意訳語
研究概要

A.外来語導入に伴う漢字音の変化という現象を発見し、新たな訳語交流の類型を見いだした。
「礦(鑛)」は中古音との対応通りならばgong3と読むべき所、現在はkuang4に読む。「工業」と「礦業」は日本製訳語であり後に中国語に借用されたという事実を考えれば、「礦」の読音変化と「礦業」の中国語への導入は深い関係にあることが予想される。即ち「礦」の読音変化には近代日中間言語文化交流が影響していると考えられる。
「礦」の読音変化は呉語の読音が他方言へ拡散したことによる。呉語であった理由には清末の実業教育があろう。実業学堂に呉語圏の学生が多数入学し、彼らが日本製訳語「礦業」を彼らの母方言をもって広めたことにより、その音が定着したと推測される。
「礦」読音の変化はその意味では一種の方言間の借用とも解せるが、かかる借用を促したのは近代日中言語文化交流である。従来それがもたらしたのは訳語の「語形」のみであると考えられてきたが、漢字音にも影響を与えていたことが示された。
B.訳語に関連して来華宣教師・中国人文人の残した漢語資料を調査した。
(1)訳語の基礎方言の問題に関連し、20世紀初頭雲南における漢語教科書を発見した。そこに反映した音系について初歩的な整理を発表することになっている。また、訳語の伝播に影響を与えた西学書の類型について考察を加えた。さらには訳語の基礎方言として全国共通語が中国において来華外国人により設定されるのと軌を一にして、地域においてもそこでの標準語設定が同じく来華外国人によってなされていた様相を明らかにした。
(2)訳語に影響した来華宣教師と交流があった中国人文人に関連し、文法学者として今後注目される畢華珍についてその生平を考証した。
C.ドイツのニュルンベルク=エルランゲン大学における国際シンポジウムに参加し、研究成果の発表と学術交流を行った。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2007 2006 2005

すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 清末における全国共通語および地方共通語の設定 -Western Mandarinとの関連から-2007

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      19世紀中国語の諸相-周縁資料(欧米、日本、琉球、朝鮮)からのアプローチ(内田慶市・沈国威編)

      ページ: 61-82

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 清末西学書の流通とその影響2007

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      中国古籍流通学の確立(アジア地域文化学叢書6)(中国古籍文化研究所編)

      ページ: 134-168

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 『華英捷径』音節表2007

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      開篇 26

    • NAID

      40015604809

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 畢華珍伝稿2006

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      或問 11

      ページ: 25-40

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 「礦」読音の音韻対応上の例外について-日中言語文化交流の観点から-2006

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      中国語学 253

      ページ: 151-170

    • NAID

      40015488882

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 那波利中華書院蔵版『三字経』について2006

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      中国古籍文化研究 4(未定)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 欧美国名的三種書写形式-兼論来花伝教士対中文認識的深化2005

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      世界漢語教育史研究 第一届世界漢語教育史国際学術研討会論文集

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 近代音訳語の基礎方言 -『新釈地理備考』および『瀛環志略』の検討から-2005

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      中国語研究 47

      ページ: 73-87

    • NAID

      40007340902

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 近代音訳語導入過程における二つの経路2005

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟
    • 雑誌名

      中国文学研究 31(未定)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 百年前の四川方言-『華英聯珠分類集成』と『西蜀方言』-2005

    • 著者名/発表者名
      千葉謙悟, 熊進, 高橋慶太共編
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      東京:中国古籍文化研究所
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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