研究課題/領域番号 |
17720191
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 川村学園女子大学 |
研究代表者 |
金澤 周作 川村学園女大, 文学部, 助教授 (70337757)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 近代 / イギリス / チャリティ / フィランスロピー / 慈善信託 / 福祉 / 英国 / 慈善 |
研究概要 |
本研究は、「小さな政府」ないし「公的救貧行政」といったレッテルのかげでこれまで無視されてきた19世紀イギリス社会におけるチャリティ活動の顕著な盛り上がりに光をあて、とくに当時のチャリティ体系においてきわめて大きな部分を占めていた慈善信託endowed charitiesの実態を、量的および質的なデータの分析を通して明らかにしようとするものである。なお慈善信託とは、富裕者が遺言などによってまとまった財産を基金化し、使途を養老院や教育、現物支給など特定の弱者救済に限定して受託者(個人、教会、自治体など)に半永久的に運用させるタイプのチャリティである。 本年度はまず、最新研究のフォローと基礎史料の把握につとめた。前者としては、チャリティに関連するイギリスの研究文献や同時代史料のリプリント版を収集しながら読み進め、背景知識や新たな研究手法の摂取につとめた。後者に関しては1810年代、30年代、70年代に編纂された慈善信託に関する議会調査報告書をごく大づかみに分析した。全国の1万以上の教区から集められた信託データの形態、量、対象範囲、報告書間の差異などを検討し、それらの報告書が全体として一貫したデータを提供しているとの結論を得た。 また、質的研究の手掛かりとして、ラヴェナムLavenhamという狭い地域の慈善信託群を調査した。国立文書館および現地の史料館において、信託設置にかかわる法的書類、実践内容に関する評価、関係者の証言などを、当時の出版物や手稿類の中から探索した。
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