研究課題/領域番号 |
17720205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
徳澤 啓一 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (90388918)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 土師器焼成遺構 / 製作残滓 / 複製土器 / 複製残滓 / 伝統的土器製作技術 / 民族誌 / 焼成痕跡 / 焼成技術 / 土師器製作残滓 / 画像データベース / 落合式土器 / 成形・調整の痕跡 / 黒斑観察 |
研究概要 |
「土師器焼成遺構」及び「製作残滓」の調査にあたっては、初動時の調査によって、調査精度が左右される。「土師器焼成遺構」の形成過程については、微細堆積構造分析及び微細炭化物等の微細遺物調査が導入されなければならない。また、「製作残滓」についても、微細炭化物等と同じように、「土師器焼成遺構」の堆積土層を水洗選別することによって、はじめて回収することができる。そのため、本研究を周知し、発掘調査の初動時から参画できた調査物件について、これらの手法を用いて調査協力を行った。 成形時及び調整時の「製作残滓」については、当初、「複製土器」の製作実験を通じて排出される「複製残滓」を観察することで、その形成過程を陶芸学的知見にもとづいて解釈できると考えていた。しかしながら、製作実験を繰り返しても、似て非なる産状の「複製残滓」しか獲得できなかった。「複製残滓」の再現性が低いため、「製作残滓」の大まかな作業所作を解釈するに止まった(徳澤・奥富2006)。 そのため、東アジア及び東南アジアにおける稲作農耕民が保有する伝統的土器製作を参照することで、製作技術及び「製作残滓」の形成過程の手がかりを得ることにした。まずは、律令成立期前後の土師器製作技術と同じような技術基盤を保有する土器製作民族誌を照会しなければならないが、詳細な紹介がなされていないこともあり、部分的でも共通性をもつ民族誌を取り上げることにした。国内でよく参照される「雲南式」泥窯等を使用する中国雲南省西双版納泰族自治州、タイ王国東北部マハサラカム県モー村の民族誌を調査した。 焼成時の「焼成粘土塊」等の「製作残滓」については、由来となった土器群の焼成技術を明らかにしなければ、「焼成粘土塊」等の成因や形成過程を特定できないという見通しが得られた。そのため、今回、「落合式土器」の黒斑等の焼成痕跡を熟覧し、焼成技術の復原を行った。
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