研究概要 |
<ラオスにおける現地調査> 2006年8月にラオスの首都ヴィエンチャンの近郊農村であるドンクアーイ村において,GPSによる生活活動データの収集・GISによって作成された時空間地図を用いた生活行動に対するインタビューを組み合わせた調査を行った.調査対象者は村落内から抽出された40世帯154名(乳児を除く世帯の全員)である. 世帯内や農村内部での複数人の分業や時空間的な資源の共有がどのように行われているかを実際に知るために,現地では同時間にある程度まとまった人数のデータを取得する必要がある.このため,25台のGPSを用いて,複数人の活動時間・場所に関するデータを取得した.次に,GISソフトウェア・ノート型コンピュータ・プリンタを用いて,取得したGPSデータを調査直後に現地で分析し,調査カルテの作成を行った.次にそのカルテをもとに活動場所や内容に関するインタビューを行い,個人の時空間収支データの作成を行った. <学会発表・論文> 経済地理学会中部支部2006年4月例会にて,生活活動データを用いて農村の日常生活の変化とラオスの近代化に関する発表を行った.2006年7月にオーストラリア・ブリズベンで行われた国際地理学連合地域大会において,昨年度のパイロット調査データに基づくラオスの日常生活の時空間と生業複合に関する研究発表を行った.また,2007年4月に行われたアメリカ地理学会サンフランシスコ大会において,生活活動データの分析を中心としたラオスの日常生活に関する研究発表を行った. また,時間地理学の方法論に関わる著書の分担執筆,時間地理学と関連する認知・行動地理学の学界展望論文は発行された.また.現地のカウンターパートであるラオス国立農林業研究所が発行する専門学術誌への生活活動データの分析に関する論文が掲載予定である。
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