研究課題/領域番号 |
17730024
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
福永 実 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (10386526)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 公物法 / 公共信託理論 / 時効取得 / 公物不可時効性 / 自然保護法 / 損失補償 / 補助基準 / 比較考量論 / 財産権 / 土地法 |
研究概要 |
二年計画二年目の今年度は、アメリカ公物法の研究に着手し、とりわけその理論的支柱である公共信託理論(public trust doctrine)の歴史的成立背景、及び公物の時効取得の問題に焦点を当てた。業績として「公物と取得時効-日米比較の視点からの若干の再検討」大阪経大論集57巻2号(2006年)を公刊することができた。概要は、アメリカでは公物不可時効性論は環境保護ないし天然資源確保の観点から有用性が再認識されつつあること、田中二郎を代表とする日本法での議論は公法私法二元論を退けようとしてかえって近代国家確立期以後に見られる国家経済発展主義に適合的な理論を展開してしまったと評価する余地があり、公物法理論の発展において古典的な公物不可時効性論の再評価の必要性を指摘した。次に、地方分権社会及びダウンサイジング社会の構築にあたり、都市整備に関する法学的諸問題の中で特に損失補償論について日米実務に思考上の差異があるか分析することとし、国土交通省・国土交通政策研究所機関誌であるPRIレビュー2007年夏季号に「土地利用規制に対する損失補償の補助基準論-日米比較」として公刊する予定である。概要は、日米双方とも土地利用規制に対する損失補償の判断基準としては比較考量論が採用され、かつ、補助基準の設定も類似のものがある。ここからは、日米双方とも損失補償の判断枠組みとしてカテゴリカル判断が可能なのは財産権収奪の場合に限定され、財産権制限の場合に裁判所に同様の判断を強いるのは困難であるとの理解が前提になっていることを指摘した。
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