研究課題/領域番号 |
17730133
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
理論経済学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小原 美紀 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (80304046)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2007年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2006年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 経済政策 / 家計行動 / 消費・貯蓄行動 / 労働供給 / 計量分析 / マイクロデータ / 格差 / 日本 / 経済事情 / 経済統計学 / 経済理論 |
研究概要 |
本研究では、失業に対して人々がどのような行動をとるかについて、日本の家計データを用いた実証分析を行った。3年間で得た主な分析結果は以下の通りである。 まず、失業リスクに対する家計の予備的貯蓄について、郵政総合研究所の『家計と貯蓄に関する調査』を使った分析の結果、失業しても家計の貯蓄は大きく減少しないこと、失業経験者が失業リスクに対して予備的な貯蓄を行っていることが分かった(「失業と家計貯蓄」;現在未公刊)。 また、失業に対して、家計内の世帯員が労働供給を増やすかどうかについて、家計経済研究所の『消費生活に関するパネル調査』を用いて計量分析したところ、1990年代半ば以降の日本では、夫の失業に対して有業の妻有給残業時間を増加させたり、無業の妻が働きに出る確率が高まったことが明らかにされた(「夫の離職と妻の労働供給」2007年1月掲載、異なる分析手法での結果を"The Reaction of Japanese Wives'Labor Supply to Husbands'Job Loss"として現在投稿中)。 さらに、90年代半ば以降の失業の増加が家計間格差に与えた影響について分析を行った。『全国消費実態調査』(総務省統計局)を用いた分析の結果、45歳以上の失業者と非失業者の間で不平等は拡大したが44歳以下では拡大傾向は見られないことなどが分かった(「失業の増加と不平等の拡大」;2006年10月掲載)。 1990年代以降、失業者は急増したが、失業した家計は消費を抑制することで貯蓄を大きく減少させなかった。また、別の世帯員が労働供給を増加させることで対処していた。これらの結果、44歳以下の家計では失業による格差拡大は抑制された可能性がある。
|