研究課題/領域番号 |
17730138
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
小林 照義 中京大学, 経済学部, 准教授 (10387607)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 最適金融政策 / ターゲティング・ルール / 金利パススルー / 金利パス・スルー |
研究概要 |
今年度の研究では、ニューケインジアン・モデルをベースとして貸出金利の硬直性についての研究を引き続き行った。今年度の研究で明らかになったことは、個別の貸出金利に硬直性がある場合、平均貸出金利の変化は社会的損失となるため中央銀行は平均貸出金利のスムージングをすべきであるが、これが必ずしも政策金利のスムージングにはつながらないという点である。たとえば、何らかの理由で銀行の貸し出し態度に変化があり、これまでよりも高めの金利プレミアムを乗せて企業に貸し出すようになった場合、中央銀行はそのような貸出金利上昇圧力を取り除くために急激な政策金利の引下げを行う必要がる。なぜなら、個別の貸出金利が硬直的なため、ゆっくりと政策金利を引き下げるだけでは先のような貸出金利の上昇を許してしまうからである。このような政策インプリケーションは、従来のような貸出金利が柔軟に動くことが前提とされていた経済モデルでは得られない見地であり、非常に重要なポイントである。近年の金融市場への不安の高まりに対するFRBの対応を見ても、本研究によるモデルの含意と非常に整合的である。これまでのこの分野における研究では、金利スムージングが望ましい、つまり政策金利は急激に動かすものではないと考えられてきたが、今後の経済環境によってはそのような考え方を捨てなければならないといえる。本研究によると、金融市場に不安がある場合、または過度な楽観が蔓延している場合等には、中央銀行は貸出金利の動向に十分注意をはらう必要があることを強く示唆している。
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