研究課題/領域番号 |
17730206
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 大阪大学 (2007) 兵庫県立大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
赤井 伸郎 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (50275301)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 情報公開 / 説明責任 / ガバナンス |
研究概要 |
近年の地方分権への動きの高まりから、各自治体は効率的に経営するために財政・説明責任の確立が不可欠と言われている。その責任を確立するために必要な説明責任(ACCOUNTABLITY)は、情報公開を通じた地方住民によるガバナンス(統治)によって達成される。その効果を検証するための第二ステップとして、平成17年度・平成18年度で行った海外・国内文献のサーベイ、検証に必要なデータ入手を踏まえて、セミナーや学会において国内・海外の研究者との議論を通じて、この研究の妥当性、価値、方向性を吟味しながら、研究結果を導出した。結果から、政策評価の数値化等を通じた行政内部からの職員の意識改革を喚起するタイプの情報が地方自治体の費用最小化インセンティブに寄与している可能性が示された。そして、効率的な財政運営(努力)が行われる限り、現在の行政サービス水準を維持しながら、平均的に歳出総額で13%程度、公共事業関連経費で16%〜29%程度の経費が削減可能であることが明らかとなった。その一方で、地域住民のモニタリング強化による財政運営の規律付けを意図した情報公開は、必ずしも財政運営の効率化には直結しないことが示された。この結果は、専門性に乏しい一般の住民は、財政運営の妥当性を評価できるほどの知識や経験が不十分で、その効果・影響を発揮するには至らないことを示唆している。すなわち、財政運営の効率化には、行政内部の職員に客観的なデータで説明できない事業については再検討の必要性を認識させるメカニズムが重要である可能性がある。さらには、行政活動の肥大化・非効率化による財政悪化が深刻になると、外部の人材や数値化を通じて財政運営の妥当性を評価し、自律性の確保を目指そうとするメカニズムが存在している可能性も見出された。
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