研究概要 |
本研究の目的は近年,注目されつつある日韓の大学発ベンチャー企業に注目し,その生成過程から現在に至るまでの発展経路を分析するところにある。研究の実施計画にも書いてあるとおり3年間の研究過程の中で日本と韓国の大学発ベンチャーを取り巻く制度環境分析から始まり,2年目からは具体的な事例調査に着手した。その結果,日本と韓国の大学発ベンチャー企業,特にIT業界とバイオ業界のベンチャー企業に注目して研究を遂行してきた。 具体的には韓国の尚明大学発大学発ベンチャー企業であるマークエニー社を集中分析し,日本のベストシステムズ社との比較事例分析を明星大学経済学の新藤晴臣准教授との共同研究を通じて実現させた。昨年の11月に青山学院大学にて行われた第10回日本ベンチャー学会全国大会では多くのベンチャー研究家に集まっていただき,示唆に富む発表であったという評価をいただいている。 なお,3年間の大学発ベンチャー企業,産学連携,国際比較研究を集大成する形で2008年4月に文貞堂からグローバル環境における地域企業の経営という本を出版してもらった。大学発ベンチャーや産学連携による地域企業の活性化の話がふんだんに盛り込まれており,この研究成果をベースに今後も大学発ベンチャーおよび中小中堅企業の国際比較研究を続けて行きたいと思っている。
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