研究課題/領域番号 |
17730285
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
若林 公美 東京国際大学, 助教授 (20326995)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 信用リスク / 業績報告 / 会計情報 / 地方債格付け / 財務ランク |
研究概要 |
(1)研究の範囲 平成17年度は、地方債の信用リスクを決定付ける要因となりうる変数の特定化とそのプロセスの結果として得られたオリジナルモデルの提示を行った。さらに、それらのモデルによるランキングにより、各都道府県の経済的実質を検討する事を試みた。平成18年度は、17年度の分析について、データを更新した上で、格付けに用硲ちれる変数としていかなる会計情報が有用と考えられるのか業績報告のあり方も含めた検討を行っている。また、異なる分析方法を用いだ研究め改善を目標とした分析もあわせて、行ってきた。 (2)研究の内容および結果 平成17年度の分析を検証すべく、平成18年度はデータを追加して、同様の順位ロジット・プロビット回帰分析を行った。結果は17年度と首尾一貫していたため、分析を精緻化させるため、地方債の信用リスクの決定要因を考える上で、パブリック・セクターによって開示される会計情報、とくに業績報告のあり方を検討した。現在、プライベート・セクターにおいては、純利益情報にとって代わり、資産・負債を時価評価した差額も加えたより広義な包括利益情報の開示が健闘されている。一般的に、包括利益情報と純利益の大きく異なる点は、経営者の利益調整行動にさらされない特性を有している点であるといわれている。実証的にこの仮説を分析した結果は、純利益が益調整行動にさらされるのに対して、包括利益に関しては同様の利益調整行動が発見出来ないことを示している(若林[2006])。パブリック・セクターにおいても、このような包括利益情報の導入や開示が利益調整行動を反映しない変数となりうる点から、信用リスクの評価に有益となりうる可能性が示唆された。 さらに信用リスクの評価に関しては、順位ロジット・プロビット回帰分析以外の方法論を探るべく、平成17年年度に引き続き、マーケット・ベースの研究を行い、アメリカ会計研究学会で報告を行った(Otogawa and Wakabayashi[2006])。この研究を通じて、公募地方債と、非公募地方債を部分サンプルとして、個別に分析を行った結果の比較など、新たな分析アプローチの考察を行うことが出来た。平成18年4月においても、引き続き、異なるアプローチの検討により、研究の精緻化を試みる予定である(Otogawa and Wakabayashi[2006])。
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