研究課題/領域番号 |
17730302
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北田 暁大 東京大学, 大学院情報学環, 助教授 (10313066)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ジェンダー / 社会構築主義 / レトリック分析 / ジェンダーフリー / フェミニズム / バックラッシュ / 男性学 / 言説分析 |
研究概要 |
本研究は、男女共同参画社会基本法成立以降に前景化してきた「バックラッシュ」の動向を、社会学的に分析するものである。単にバックラッシュ的な言説に対してイデオロギー批判を投げかけるのではなく、そうした言説が前景化してきた社会的・歴史的背景を、言説の布置変容や社会意識のあり方に照準しつつ、重層的に分節化していくことを目指した。研究は大きく分けて3つの軸に分けて遂行された。(1)第一の軸は、日本におけるバックラッシュ的言説のあり方を、社会構築主義の手法、とりわけレトリック分析の手法を用いて分析するというもの。とりわけ2000年代に入ってからの「ジェンダーフリー」をめぐる言説(雑誌、新聞、書物、パンフレット、インターネット等で提示された言説群)に着目し、クレイム申し立てのさいに用いられるレトリックの分類・分析を行った。(2)第二の軸は、(1)の研究を行ううえで必要となる理論的道具立ての検討を行った。まずは「社会問題の社会学」の理論的検討を行い、「バックラッシュ」を構築主義的に分析していく際に留意すべき理論的問題について検討した。また、構築主義的な視座・言説は「ジェンダーフリー」をめぐる言説空間の中で批判的に言及されることが多いため、構築主義的論理とジェンダー論との関係性について理論的な検討を行った。(3)第三の軸は、(1)の作業の成果を踏まえた上で、若者たちのジェンダーをめぐる価値意識が現在どのようなものとなっているのか、またそうした価値意識が政治意識や情報行動などとどう連関しているのか、といったことを実証的に確認するために、20〜35歳の男女を対象にアンケート調査を行った。2000年代半ば以降に顕在化する対抗レトリックの中で、「バックラッシュは社会の流動性上昇に対応しえない男性弱者によるもの」といった分析仮説がしばしば提示されているが、そうした仮説の成否についても、本調査の中で検討した。
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