研究課題/領域番号 |
17730321
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 講師 (50386520)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 社会学 / 地域運動 / アルザス / 国境地域 / アイデンティティ / フランス |
研究概要 |
本研究は、国境地域アルザスにおいて、1.地域文化の担い手の実態と機能について明らかにすること、2.「地域アイデンティティ」がどのようなものとして捉えられており、どのような主張がなされているのか、その内容と時代による変遷を明らかにすること、そして3.先行研究の批判的検討と、多文化社会を捉える新たな分析枠組みを提示することを目的として実施した。 本年度の研究は、これまでに実施してきた現地調査の結果や、収集してきたさまざまな文献や資料の分析結果を研究成果としてまとめることを中心に実施した。その過程で、補足的な現地調査も行った。主としてアルザス地方で地域運動家を対象として実施したインタビュー調査の結果や、収集した公式文書や文献・資料の分析をもとに、国境地帯に位置する多文化地域における地域運動の特色と、その担い手が「地域」や「地域アイデンティティ」、「地域語」をめぐってどのような主張を展開しているのかを明らかにした。 アルザスの場合、ドイツとスイスとの国境地帯に位置するという地理的条件と戦争の歴史が、「アルザス語」と「ドイツ語」との関係を捉える上で、また「地域」や「地域アイデンティティ」を考える上で、依然として大きな影響を及ぼしていることが確認された。その一方で、ヨーロッパ統合の進展と、EUレベルでの言語政策が、「地域語」をめぐる言語政策に大きな影響を与えるようになっていることも確認された。多文化社会を的確に捉えるために、領域の支配という文脈のなかで使用されてきたさまざまな概念の再検討を一層進めることが、今後の課題となる。
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