研究課題
若手研究(B)
一昨年・昨年に引き続き、本研究は、身体が加工可能なものとして提示され、しかも加工に対する許容度が大きくなった現代社会において、主体がどのようなものとなっていくのかというモデルを提示することを目的としてなされた。本年度は、一昨年・昨年に行ったアンケート調査およびインタビュー調査の分析、これまでに収集した文献・資料の整理を行った。さらに、インタビュー調査は国内を中心に引き続き行い、インフォーマント数・データ量を増加して分析をより深化させてきた。そこで見いだされた主体は、身体そのものや内面そのものに基礎をおくのではなく、「加工」という行為に基礎づけられるような主体であった。この発見により、従来の心身二元論のアポリアを乗り越え、社会学的な主体の議論に一石を投じることができた。さらに海外比較も行ったことで、日本における主体モデルが、東アジア圏やヨーロッパでも類似していることも発見でき、この主体モデルがグローバルに広まりつつあることも仮説として提示できた。同時に、それらの研究結果は、11.研究発表(裏面)で記載している分以外にも、2007年10月3日に関西大学広報課と学長主催の記者懇談会において発表した。また、平成17〜19年度を通した本研究の成果をまとめたものとして、新曜社から単著『美容整形と化粧の社会学』が2008年6月に刊行される予定でもある(現在はゲラに著者校正を入れている段階である)。
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情報研究 第27号
ページ: 57-67
110006567172
AURA 177
ページ: 2-5