• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

英国20世紀前半の労働党及び産業国有化においてミドル・クラスの果たした役割

研究課題

研究課題/領域番号 17730328
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 社会学
研究機関奈良大学

研究代表者

尾上 正人  奈良大学, 社会学部, 准教授 (90299248)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード産業国有化 / ミドル・クラス / 社会主義
研究概要

内外の書店を通じた文献購入、および現地での資料収集によって、本研究が主な対象としている1910〜40年代(さらにはそこから先)の英国労働党内においてミドル・クラスが置かれていた状況について、新たな知見をいくつか得ることができた。そのうちの主なものだけを挙げると、
1.前年度の研究においても明らかにしたように、1930年代からスタフォード・クリップスに代表される貴族・上流階層出身の知識人が大挙して入党し、影響力を強めるようになった。が、アトリーの下で政権を握った1945年から1951年にかけてはさらに様相が変わり、アンソニー・クロスランドに代表される、テクノクラート的と言ってもよいようなタイプのミドル・クラスが党内に台頭する。彼らの社会主義の政策目標は、産業国有化から、混合経済下でのケインズ主義的財政政策へとシフトした。
2.上記のような状況下でも、前代の労働者階級出身のミドル・クラスであるハーバート・モリソンは内相として国有化政策を推進してゆこうとするが、上のような党内事情から、その政策的重要性は次第に後景に退いてゆき、彼らの影響力も縮小する。
3.時代は大きく下るが、トニー・ブレアが1997年から10年間率いた「新しい労働党(New Labour)」は、社会階層構成的に見れば、「理想主義的」とも言えるそれまでになかった新しいミドル・クラスの覇権によるものであると考えられる。彼らは、初期ブレアの標榜した「社会-主義(social-ism)」に典型的に見られるように、国有化やケインズ主義といった具体的政策よりも、公正・正義といった抽象的理念に訴える傾向が強い。
このように英国労働党内におけるミドル・クラスは、一括りにはできないような多様性を歴代持ちつつも、党内において労働者階級以上に強いヘゲモニーを維持して今日に至っているのであり、決してブレアの「新しい労働党」が史上初めてではなかったのである。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「リスク社会」とフランク・ナイト2007

    • 著者名/発表者名
      尾上 正人
    • 雑誌名

      経済社会学会年報 XXIX(未定)(掲載決定)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

URL: 

公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi