研究課題/領域番号 |
17730348
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
金田 千賀子 愛知淑徳大学, 医療福祉学部, 助教 (80387844)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 認知症高齢者 / エンパワーメント / 地域ケア / 専門職養成 / 専門職 / デンマーク / 認知症コンサルタント / 子どもの理解 |
研究概要 |
本研究では、認知症ケアにおけるエンパワーメントの創造過程に関して、特に専門職と家族、地域ケアということに着目して次の研究を行ってきた。 (1)デンマークの認知症コンサルタントの養成学校でのヒアリング調査を実施し、養成課程とそのプログラムについて明らかにするにした。認知症コンサルタントは、ケアに携わる専門職のスーパーバイズのみにならず、家族と向き合いながら支えていることを職務にしている。養成課程では、2年間有休という形で学校に通っている。それにかかる費用は雇用主がほぼ負担しているため、専門職の養成には本人だけではなく、雇用主もそれだけの期待をしているということである。 (2)自治体に所属するGrave市の認知症コンサルタントのヒアリング調査。どのような職務をおこなっているかについて明らかにした。これについては、のちに医療福祉研究第3号にまとめた。 (3)自治体において認知症ケアに力を注いでいるスベンボー市において、「協力モデル」の説明を受け、どのように専門職や関連機関が連携をとって認知症ケアに当たっているのかについて学んだ。協力モデルでは、自治体職員が一定程度の認知症の知識を持っていること、1人の高齢者の現状(状況、薬の服用やサービス利用の状況等)が家庭医の元に集約される方式が取られており、どんなところでサービスや治療を受けていてもその情報が共有化され、一番身近な家庭医が知っているため、支援がスムーズにされていることが明らかになった。また、そのためには、一元化だけでなく、常にサービス評価と調整がどの場面でも行われていた。 (4)デンマークにおいて認知症高齢者をケアする、あるいはしてきた家族からのヒアリングを行った。福祉国家デンマークにおいても、家族はグループホームへの入居などを拒みつづけており葛藤があることが伺えた。夫婦なのだから、私がケアをしてあげたいという思いと、これ以上は身体的にも精神的にもケアし続けることが困難だという狭間で揺れ動いていた経験をしたことが聞かれた。その際に、認知症コンサルタントが様々な決定に際して拠り所になっていたこともわかり、認知症高齢者の家族を支える専門職の役割の必要性が示唆された。
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