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高齢者のメタ記憶に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17730386
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 教育心理学
研究機関目白大学

研究代表者

河野 理恵  目白大学, 人間社会学部, 講師 (40383327)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード高齢者 / 自己の記憶評価 / 自己卑下的評価 / 自己高揚的評価 / 過去 / 同じ年の他人 / 自己の記憶に関する知識 / 記憶の自己効力感 / 記憶方略 / スウェーデン
研究概要

自己の記憶能力に対する評価,あるいは自己の記憶に関する知識など,自己の記憶に関する認知は「メタ記憶」と呼ばれる.本研究では,高齢者のメタ記憶に着目し,高齢者は自分の記憶に関して,どのような評価をしており,それがどのような特徴をもっているのかを多角的に明らかにすることを目的とした.調査では,高齢者が自分の記憶をどのように評価して日常生活を過ごしているのかを明らかにするために,65歳から81歳までの高齢者104名(男性41名,女性62名,平均年齢72,15歳,平均教育年数11.96年)に対して質問紙調査を行なった.その結果,30代の若い頃に比べて,自分の記憶力の低下を感じている者が有意に多かった(X2(1)=56.63,P<.01).しかしながら,同い年の他人と比べて,自分の記憶能力が劣っていると感じている者はほとんどいなかった(X2(1)=77.44,P<.01).この結果は,昨年の調査結果と同様であり,高齢者が自己の記憶能力へ抱く複雑な自己効力感を示唆していると指摘できる.つまり,自己の記憶能力において,過去と比較した場合は自己卑下的評価であるが,同じ年の他人と比較した場合に限り,自己高揚的評価が見られるのである.このような過去と比較した場合の自己評価と他人と比較した場合の自己評価の乖離は,記憶のみならず,体力,動作,疲れやすさの評価においても明らかになった.このことから,記憶のみならず,高齢者の自己評価を明らかにする際には,いつ,誰との評価なのかということに留意することが重要であると考えられる.また,過去と比較して記憶の衰退を感じていた者のうち,50代から記憶の衰退を感じていたものが13.6%,60代からが56.9%,70代からが29.5%であった.多くの高齢者が,加齢に伴い記憶の衰えを感じているものの,社会的活動(老人会会長,ダンスなど)を積極的に行なうことによって,その衰退程度が緩和されているとみなしていることが推察された.加えて,高齢者が日常生活で感じる記憶の失敗経験には,「探し物をしていたのに,何を探していたのか分からなくなる」「人の名前が覚えられない」などが顕著であることが示唆された.

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 福祉国スウェーデンにおける高齢者, 認知症者に対する施策とケアシステムの構築 第1報:スウェーデンにおける高齢者福祉の状況2006

    • 著者名/発表者名
      棚崎由紀子, 河野理恵, 河野保子
    • 雑誌名

      看護技術 52(2)

      ページ: 72-75

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 福祉国スウェーデンにおける高齢者, 認知症者に対する施策とケアシステムの構築 第2報:スウェーデンにおける高齢者,認知症者に対する支援システムとケアの実際2006

    • 著者名/発表者名
      棚崎由紀子, 河野理恵, 河野保子
    • 雑誌名

      看護技術 52(3)

      ページ: 69-75

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 最新介護福祉全書8 老人の心理と援助2005

    • 著者名/発表者名
      河野理恵分担執筆, 井上勝也責任編集
    • 総ページ数
      249
    • 出版者
      メヂカルフレンド社
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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