研究課題/領域番号 |
17730400
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
加藤 奏 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教務補佐員 (60377348)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経心理学 / 認知機能検査 / MCI |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き、アルツハイマー病の早期診断に有用な神経心理学的検査として作成されたBrief-Neuropsychological Scale (BNPS)のデータ解析とテスト項目の配点ウエイトの修正を行った。 また、現在日本で広く用いられている認知症スクリーニング用の認知機能検査を検索し、それぞれの検査の特徴を調べた。同時に、初期アルツハイマー病に特徴的な認知機能障害(特にエピソード記憶や実行機能、注意機能の障害)や初期アルツハイマー病のスクリーニング検査に関するレビューを行い、BNPSの妥当性について検討した。以上の研究成果をDementia Japanに発表した。 1,対照群と患者群の弁別力の高い項目の配点ウエイトを増やし、施行項目の取捨を行った。その結果、BNPSの下位テストであるMDS (Mini-Dementia Scale)追加版は、認知症のスクリーニング検査として広く用いられているMini Mental state examination (MMSE)を上回る弁別力を示し、初期アルツハイマー病のスクリーニングに有用であることが示された。MDS追加版については新たにcut-off pointが設定された。 2,先行研究から、Mild Cognitive Impairmentの段階でアルツハイマー病を検出することは現時点では困難だが、以下の(1)〜(4)の条件を満たす検査バッテリーを作成することで、スクリーニング精度を高めることが可能になると考えられる。 (1) エピソード記憶を評価すること (2) 様々な認知領域を広く調べること (3) 注意機能や実行機能を評価すること (4) 記憶を能動的・効果的に活用する能力を評価すること BNPSは、これらの条件を概ね満たしており、特にMDS追加版は、初期アルツハイマー病患者と健常者をほぼ100%の確率で判別することが確認された。MDSはMMSEと同程度の弁別力であったが、認知機能を領域ごとに幅広く評価することが可能であり、下位検査のプロフィールを検討することで、アルツハイマー病とアルツハイマー病以外の認知症の鑑別や、領域ごとの機能水準の評価判定に役立つことが示された。
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