研究概要 |
本研究では、a)傾聴スキル、主張スキル、問題解決スキルから構成される集団社会的スキル訓練(集団SST)プログラムのこれまでの実践を整理すること、b)予防・開発的な対応を学校で実践している教員らとともに研究会を組織して同プログラムをより良いものにすること、c)研究会の検討を経た同プログラムを中学校で実践し、その効果を検討することを目的とした。本年度は、上記のうち、a)及びc)を目的とした。 まず、目的a)に関して、中学校1年生学年における集団SSTの効果について国際学会にて発表した(Miyamae, Y.,Iwamoto, K., & Toda, Y. 2007 The effect of classform-based social skills traning on social skills and adaptation among 7^<th>-grade Japanese students the 29^<th> ISPA(International School Psychology Association)Colloquium)。また、集団SSTを含む社会的スキルに関する国内外の研究(実践)の知見について、小学校、中学校教員らとともに著書にまとめた(小林正行・宮前義和(編著)2007 こどもの対人スキルサポートガイド-感情表現を豊かにする SST- 金剛出版)。著書の中には、上記集団SSTプログラムに関する知見も含まれている。さらに、中学校2年生学級における集団SSTの実践結果を、個人差に着目して整理して、学会誌に投稿した。 目的c)については、中学校前項規模の集団SSTを実施した。各学年で中心的に集団SSTを実践した教員に対する聞き取り調査や構内研修会等を通じて、一定の効果の見られたことが確認された。実践は、次年度も引き続いて継続されることになった。
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