研究課題/領域番号 |
17730412
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
日下 菜穂子 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (70309384)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 高齢者 / うつ病 / 認知行動療法 / 家族 / 自動思考 / 家族レジリエンス / QOL |
研究概要 |
(1)高齢期のうつと家族についての調査 地域在住の120人の高齢者を対象に、家族機能、うつ、QOLの尺度などで構成するアンケートを実施した。結果の分析から家族レジリエンスは健康状態とともに、高齢期の抑うつ感情に影響することが明らかとなった。高齢期の抑うつ感情の予防と改善のためには、健康の維持増進とともに家族の関係性の見直しが必要であることを確認し、IFTA World Congressにて発表した(Kusaka & Tokutsu,2006)。 (2)高齢期のうつと自動思考についての調査 地域在住の250人の高齢者を対象に調査を実施し、健康状態と自動思考および抑うつ症状との関連について検証するために、自動思考の3つの下位尺度とQOLの下位尺度が抑うつ感に与える影響を分析した。女性ではQOLの下位尺度から抑うつ感に対する関連が有意であったが、自動思考の下位尺度から抑うつ感への影響は有意ではなかった。一方、男性は、QOLの下位尺度から抑うつ感に対する有意な係数は得られなかったが、自動思考の下位尺度から抑うつ感に対する関連が有意であった。この結果は「高齢者の自動思考と健康状態および抑うつ症状との関連」として日本老年社会科学会において発表を行い(日下、2006)、現在論文投稿中である。 (3)高齢期のうつに効果的なプラグラムの検討 病院精神科を受診する3名の高齢者を対象に認知行動療法を実施し、BDI-II、SF-36v2、ATQ-Rなどのアセスメントを用いて効果測定を行った。高齢者の認知の修正、および環境調整に焦点づけた認知行動療法の取り組みによって、3名全員に顕著な効果が認められた。この結果は「高齢者のうつに対する認知行動療法の取り組み」として日本心理臨床学会おいて発表を行った(日下、2006)。さらに、地域在住高齢者への認知行動療法の結果との比較検討を行い、その過程と結果は現在論文として投稿中である。
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