研究概要 |
<アルコール再飲酒リスク評価尺度(Alcohol Relapse Risk Scale:ARRS)の標準化作業> 刺激薬物と並び重要な依存性薬物のひとつである,アルコールに対する再飲酒リスクを多次元的に測定するアルコール再飲酒リスク評価尺度(Alcohol Relapse Risk Sacle:ARRS)を開発し,前年度に連携体制を構築したアルコール依存症治療施設の入院・通院患者200名を対象に実施した。併せてアルコールへの渇望感,抑うつ(CES-D)・現在の飲酒状況・1ケ月後の再飲酒の有無など,他変数についても測定を行った。統計解析の結果,おおむね十分な信頼性と妥当性を確保する値を得た。 <法務機関と連携体制の構築> 刑務所・保護観察所など,薬物依存者とかかわる重要機関の一つである法務機関との信頼関係・連携体制を構築した。具体的には,静岡刑務所(静岡),法務省矯正局,法務省保護局(以上東京)との協力体制である。 <依存物質再使用と処方薬の関連を調査するための縦断調査の実施> 開発した刺激薬物再使用リスク尺度(SRRS)・アルコール再飲酒リスク尺度(ARRS)を,専門病院に通院する30人/60人程度の薬物依存症者/アルコール依存症者に継続実施し,処方薬や他の社会心理的変数(本人の抱えているストレス状況など)との関連を検討するために,約3ケ月間隔で2回,試験的な縦断調査を実施した。
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