研究課題/領域番号 |
17730438
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
中村 信次 日本福祉大学, 情報社会科学部, 准教授 (30351084)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 自己運動知覚 / 視覚 / 平衡感覚 / 体性感覚 / 感覚情報 / 運動制御情報 / 自己身体運動知覚 |
研究概要 |
本研究の目的は、自己運動知覚における感覚情報および運動制御情報の統合過程を検討することにより、われわれの環境への適応に必要不可欠な自己身体の空間定位の心理学メカニズムを明らかにすることにある。昨年度は、自己運動知覚における感覚情報と運動制御情報の統合の様式を検討するために、自己進行方向判断課題に及ぼす被験者の自発的注意分布の効果を測定する心理実験を実施し、視覚誘導性自己運動の方向が注意の焦点に向けて大きなバイアスを受けることを明らかとした。本年度は、昨年度の実験を継続し、自発的注意が進行方向知覚に及ぼす影響を多彩な刺激条件下でさらに詳細に検討した。その結果、自己運動知覚と自発的注意分布が比較的単純な様式で相互に影響を及ぼしあうことが確認された。また本年度は研究計画の最終年度として、これまでの実験結果を取りまとめ、自己運動知覚における統合様式に関する検討を行い、各種の感覚・運動指令情報が自己運動知覚に及ぼす影響を定量的に記述可能な心理学的モデルの構築を試みた。その結果、身体運動に伴う単純な自己受容感覚フィードバック(抹消情報)ではなく、運動企図に基づく運動指令情報(中枢情報)が自己身体運動知覚に大きな役割を果たしていることが明らかとなった。この運動指令に基づく予期情報が、比較的時定数の長い(応答の遅い)視覚・前庭感覚といった感覚情報に基づく自己運動知覚を補うことによって、変化に富む外界の環境の中で安定的な自己運動知覚が実現されていることを定量的なモデルにおいて位置づけることが出来た。
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