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鳥類における系列反応の抽象構造解析と遂行時神経活動の測定

研究課題

研究課題/領域番号 17730441
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 実験心理学
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

山崎 由美子  独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 研究員 (20399447)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード系列反応 / 系列反応時間 / 論理性 / 抽象構造 / 抽象性
研究概要

本研究は、有限状態文法として記述可能な歌を生成することで知られるジュウシマツにおいて、系列生成能力が歌に特異的なものか、あるいは歌以外の一般的な反応にも、ヒトと比較可能な論理性や抽象性を有する系列生成を可能にするようなメカニズムがあるかどうか、条件づけによる行動実験を行い、さらにそのメカニズムの脳内責任部位を特定するための脳損傷実験につなげることを目的とした。本年度は、昨年度に開発された5つの反応キーを持つ系列反応訓練のための実験装置を用い、本訓練を実施した。ジュウシマツの歌における要素とその文法構造とに対応した系列行動を生成させるため、3つの刺激項目に対して一定の順序で系列反応を行うように訓練した。2条件が設けられ、一方はランダムな系列反応を訓練され(例えば3-2-4、数字は反応位置を示す)、もう一方は規則性を持った系列反応(例えば2-4-2、第3項目が第1項目を繰り返す)を、それぞれ1例ずつ訓練された。サルやヒトの認知神経科学的研究において用いられてきている系列反応時間(Serial reaction time)を指標として評価したところ、両条件においても、訓練に伴い系列反応時間が減少していったため、ジュウシマツにおいて歌以外の系列反応が学習可能であることが示された。反応時間の減少が安定した後、以下の3つのテストを行つた:1)獲得された系列反応は訓練系列に限定されているかどうか(ランダムテスト)、2)規則性のある系列を訓練することにより、刺激特異的でない抽象的な構造が学習されたかどうか(抽象構造テスト)、3)獲得された反応は運動パターンに特異的なものか(運動学習テスト)。この結果、獲得された反応は訓練系列に限定されており、抽象構造や運動学習自体が般化されることはなかった。この理由として、訓練例の不足が考えられたため、例を1から5に増やし、再訓練し、同様なテストを行ったところ、抽象構造の転移を示唆する結果が得られ、これにより脳損傷の効果を検討するための実験パラダイムを確立できた。

報告書

(2件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] The study of hemispheric specialization for categorical and coordinate spatial relations in animals.2006

    • 著者名/発表者名
      Vauclair, J., Yamazaki, Y., Gunturkun.O.
    • 雑誌名

      Neuropsychologia 44

      ページ: 1524-1534

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 動物の論理を比較する:意味の獲得へと導くメカニズム2006

    • 著者名/発表者名
      山崎由美子, 岡ノ谷一夫, 入來篤史
    • 雑誌名

      信学技報 NC2005-93

      ページ: 19-24

    • NAID

      110004075789

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 概念の発達と操作の神経機構-ヒト思考形式の非論理バイアスによる概念創発-2006

    • 著者名/発表者名
      山崎由美子, 日原さやか, 藤井直敬, 岡ノ谷一夫, 入來篤史
    • 雑誌名

      生体の科学 57

      ページ: 51-57

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 心の理論とミラーニューロン2005

    • 著者名/発表者名
      山崎由美子
    • 雑誌名

      遺伝 59

      ページ: 82-86

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] Reasoning and cognition, Interdisciplinary Conference Series on Reasoning Studies (Vol. 2. (pp. 63-74)).(Andler, D., Ogawa, Y., Okada, M., Watanabe, S. (Eds.))2006

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki, Y., Okanoya, K., Iriki, A.
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      Development of logical and illogical inference.
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 言語科学の百科事典2006

    • 著者名/発表者名
      山崎由美子, 岡ノ谷一夫, 入來篤史
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      丸善株式会社
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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