研究概要 |
本年度は岐阜県(岐阜県歴史資料館),滋賀県(滋賀県庁県民生活課県民情報室),埼玉県(埼玉県立文書館),東京(東京都公文書館,再調査)で史料調査を行った。 岐阜県,滋賀県,埼玉県,東京都のいずれも,1900年代初頭からアジア・太平洋戦時期に至る教育行政関係文書,地方長官会議関係史料に関して,当該所蔵機関に保存されている史料についてはほぼ網羅的に閲覧,複写することができた。計四箇所の調査で収集できた史料は,ゼロックス複写でおよそ1300枚,デジタルデータで写真およそ1500枚を収集した。 収集した史料は順次データベース化を進めており,デジタルデータに関しては画像処理を施しつつ,DVDへの保存を進めている。 本年度の調査により,アジア・太平洋戦前期に開催された地方長官会議に関わる資料については,地方自治制立以降に限ればほぼ八割方、史料の所在およぴ内容の確認を達成できたことになる。これらの資料については通時的分析を行い,順次研究報告を行っていく予定である。 なお史料調査と並行して,アジア・太平洋戦前期の初等教育政策を分析するための基礎法令資料集を,収集した史料を活用しつつ編纂した。これは『自一九〇〇年八月至一九四一年四月 小学校令並に小学校令施行規則の沿革』(平成19年6月)、『国民学校令及び国民学校令施行規則の沿革』附・国民学校関係法令の沿革』(平成19年12月)として,兵庫県立大学経済経営研究所から刊行した。これらの資料集はのべ50以上の研究者,資料所蔵機関,学会,研究会などに寄贈、配布し,研究成果の共有を期した。 今後はDVDに保存した画像についても,学界における共有の方法を検討してゆきたい。
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