研究概要 |
1.研究成果の発表 本研究課題の研究機関における成果について,平成19年6月30日〜7月1日に開催された日本比較教育学会第43回大会(於・筑波大学)において「オーストラリアにおける二元型大学(dual-sector university)の試み-大学とTAFEのセクター間連携-」と題して発表した。本発表では,ユニバーサル型高等教育(universal tertiary education)の実現に向けた取組として,オーストラリアにおける大学セクターと非大学セクター(TAFEセクター)とのセクター間連携,特にヴィクトリア州を中心に見られる二つのセクターを併せもつ高等教育機関,いわゆる二元型大学(dual-sector university)に着目した。一つの機関内に両セクター間の経路(TAFE-HE pathways)の整備を図ることによって,セクター間のアーティキュレーションの円滑化・弾力化を促進しようとしており,具体的には学生移動(単位互換・学習歴認定),カリキュラム,新しい学位(associate degrees,nested degrees)の創出といった面でユニバーサル化に対応しようとしている点,大学の多様化(機能分化)を促す可能性を秘めている点,しかしその反面,依然として二元型大学のインパクトは限定的である点について,平成19年3月め現地調査に基づいて実証的に考察した。 2.現地調査 平成20年2月には,オーストラリアのモナシュ大学・メルボルン大学・アデレード大学・南オーストラリア大学を訪問し,各大学で進むセクター間連携の取組について聞き取り調査を実施した。この成果は,上記学会発表の内容と併せて平成20年度刊行予定の『大学論集』(広島大学高等教育研究開発センター編)に発表する予定である。
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