研究概要 |
本研究は,普通教育においてデザインがもつ教育的意義を検討したうえで,子どもの成長発達に即した学習プログラムを開発するものである。平成19年度では,以下の事項を遂行した。 1.我国の初等デザイン教育の黎明期における「子どものデザイン」概念の検討を通した普通教育におけるデザイン教育原理の創出 昭和30年代の社会変動とともに揺れ動いた「子どものデザイン」概念のあり様から,あるべき普通教育におけるデザイン教育の原理を考察し,明らかにした。 2.現代デザインや複合領域研究と美術教育の接点を探る原理的考察 原研哉をはじめとする現代デザイン理論をリードする論拠や社会学や生態学などの複合領域研究から,美術教育のあり方をとらえ直す試みを行った。 3.海外における研究内容の検討 イタリアのローマ日本人学校,現地学校等において,本研究で開発しつつある学習プログラムの有効性を検証した。これまでの研究成果により広い論拠を付与することができた。さらにイタリアにおける教育活動を視察し,現地の教育者から知見を得ることによって,新たな視点からプログラム開発を行うことができた。 4.デザイン教育プログラムの開発 以上の考察をふまえて,小中学校を縦断するデザイン学習プログラムの骨格を作成した。
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