研究概要 |
本研究は,日本の法化社会の進展に伴う現代の社会科教育の課題に応えるために,市民の法的参加を促す教育のあり方を考える基礎的研究である。 本研究は,アメリカの社会科教育において研究・実践が進められている「法教育」(Law-Related Education)を思考モデルとして,市民の法的参加に必要な意識・能力の育成を目指した日本の法教育の内容構成の理論的枠組を考える視点を提出することを目的としている。 本年度は,これまでの研究成果を踏まえて,日本の司法システムの特質と比較し,日本の法文化論の知見から分析を行い,日本における市民の法的参加に必要な意識・能力を育成するための課題を解明した。本年度の研究成果は,具体的には,以下の通りである。 (1)研究成果の公表 日本社会科教育学会,日本公民教育学会の研究大会で研究発表を行い,これまでの研究成果を報告した。法教育の意義や可能性について考察するとともに,日本における市民の法的参加に必要な意識・能力を育成するため法教育の今後の課題を提出した。 (2)専門家からの意見聴取,情報収集(追跡調査) 収集した資料の分析及び集録した授業の分析結果について,アメリカの法教育および司法教育研究の専門家に意見を求めた。同時に,資料を追加収集し,分析結果の精緻化を図った。
|