研究概要 |
1.Sp(4,7)の400点上の置換表現を考える。Sp(4,7)の位数2の各元の固定点で生成された2元体上の符号の双対には2つの自己双対符号が含まれることがこれまでの研究で分かっている。この自己双対符号の存在についての一般化を考察した。有限斜交群 G=Sp(2m,q)(qは奇数)の2m次元ベクトル空間の1次元部分空間全体への作用を考えると(q^{2m}-1)/(q-1)次の作用である。2元体上のGのこの作用における置換表現を考える。2元体上の符号は置換表現の部分加群とみなすことができる。この置換表現の部分加群はLataille-Sin-Tiepにより分類されている。しかしながら符号としての自己双対性については知られていない。q=7,23のときにSp(4,q)を自己同型群に持つ2元体上の自己双対符号が存在し、q=7,11,19,23のときSp(4,q)を自己同型群に持つ2元体を拡大した4元体上で自己双対符号が存在することがわかった。さらにSp(6,3)で4元体上の、Sp(6,7)で2元体上の自己双対符号が存在することが分かった。これらは幾何構造などを用いてさらに一般化できると思われる。 2.群の特徴的な部分集合と群の構造の関係を組み合わせ的な視点で考察した。群Gの元aに対してX(a)={(x,y)|a=[xy^{-1}x^{-1},x^{-1}yx]}なる集合を考える。非可換単純群では|X(1)|>|G|である。X(a)はG×Gを分割する。このG×Gの分割について、べき零群はすべてのaに対して|X(a)|=|G|と均等に分かれること、およびすべての元に対して均等に分かれる群は可解群であることがわかった。
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